IDT(Integrated Device Technology)は9月17日、16レーンPCI Express(PCIe)3.0信号コンディショニングリタイマ「89HT0832P」を発表した。

同製品は、チャネル当たり8Gbpsの伝送が可能な32チャネル(16レーン)のリタイマで、データを大量に伝送するアプリケーションで合計256Gbpsの通信帯域を使用できる。また、プロトコルアウェア(protocol-aware)で、レシーバおよびトランスミッタ構成向けにPCIe 3.0準拠の等化方式に対応している。これにより、システムのデザインインの複雑さが軽減され、どのようなPCI Express 3.0準拠のデバイス、拡張カード、ホストバスアダプタ(HBA)でも信頼性ある低ビット誤り率(BER)での運用を保証できる。このリタイマのレシーバには、高性能アナログフロントエンドである連続時間線形等化器(CTLE)と、それに続く5タップの判定帰還等化器(DFE)、クロックデータリカバリ(CDR)回路を搭載している。

さらに、動的最適化との組み合わせで、低品質の入力信号を復旧し、ランダムジッタと確定的ジッタを是正し、伝送振幅を押し上げる。これらにより、長いケーブル、長いトレース、あるいはシステムのバックプレーンでの通信を可能にするという。

「89HT0832P」は、8Gbps PCIe 3.0および5Gbps PCIe 2.1と互換性があり、ブーストレベルやプレシュートレベル、高速振幅を含む、PCIe 3.0トランスミッタの係数行列に完全対応している。また、終端インピーダンスやタイミングスキューなど主要な運用パラメータをデバイスが自動でキャリブレーションすることが特徴となっている。これにより、様々な製造環境(ウェハ)や運用環境(電圧・温度)に合わせて自動調節し、個別の部品ごとに最適なパフォーマンスを発揮できる。

なお、パッケージは、13mm×20mmサイズで0.8mmピッチ、もしくは15.5mm×24mmサイズで1.0mmピッチの345ピンFCBGA。現在、特定顧客向けにサンプル出荷中。