ウェザーニューズは9月12日、北極海航路が2航路開通したと発表した。衛星観測データを基に北極海の海氷域面積を解析し、航路開通を宣言している。

開通した北東航路と北西航路

2013年 9月9日時点での海氷の様子とこれまでの海氷面積の変化

北極海航路が初めて開通したのは2005年のこと。温暖化の影響からか、ロシア側(北東航路)で海氷が消滅した領域がつながり、船舶が初めて通航できる状況になった。2006年は開通しなかったが、2007年はカナダ側(北西航路)が航行可能に。そして2008年に初めて両航路が同時に開通したという。

その後、毎年8月~10月にかけて両航路が開通しており、現在は、欧州、ロシア、北方アジアを結ぶうえで、短距離かつ海賊の少ない安全な航路として注目を集めている。

ウェザーニューズによると、今年は8月の低温によって融解が進まず、過去最速で開通した昨年に比べて約1カ月遅れでの開通になったという。

同社では、北極海航路を通過する船舶への航路推薦サービス「Polar Routeing サービス」の提供を2011年に開始しており、今年は10航海前後をサポートするとしている。

なお、今年11月21日にはロシアで超小型衛星「WNISAT-1」が打ち上げられる予定で、ウェザーニューズでは同衛星を使って、より精度の高い北極海域の海氷モニタリング/予測を行っていくとしている。