俳優の藤原竜也と山田孝之が初共演する映画『MONSTER』(仮)の撮影がこのほど、都内スタジオで行われた。

映画『MONSTER』(仮)の撮影に臨んだ藤原竜也(右)と山田孝之

2010年公開の韓国映画『超能力者』を原案にした同作は、映画『L change the World』の中田秀夫監督×佐藤貴博プロデューサーが再タッグを組んだサスペンスアクション作品。全ての人間を操れる力を持ち孤独に生きる"男"(藤原)と唯一その能力が通じない田中終一は、ふとしたことから出会ってしまい、秘密を知る終一を葬ろうとする"男"と大切な人を"男"に殺された終一の壮絶な激突が始まる――というストーリーで、映画は2014年に公開予定。

7月にクランクインした同作のクライマックスシーンの撮影が報道陣に公開され、カメラ横にピタリと張り付く中田監督の演出のもと、藤原と山田はワイヤーを使った撮影で迫真の演技を披露した。撮影の合間に報道陣の取材に応じた佐藤プロデューサーは、「ホモセクシャルではないけど、特殊なラブストーリーだと思ってる。男同士のある種の共感、色気がある話にしたい」と熱弁。また、撮影で手応えを感じたという中田監督は「大島渚監督が『キャスティングした時点で映画の演出は8割終わってる』って言ってたけど、今回の撮影で実感した。見ていて気持ちが良い」と実力派俳優たちの演技に惚れ惚れした様子だった。

映画やドラマ、舞台で活躍する同年代の藤原と山田の芝居合戦が見どころでもある同作だが、2人は意外にも初共演。藤原は撮影現場での山田の印象を「作品に対するストイックさ真面目さに引っ張られる。見えない難しい撮影だけど、強い芯を持って現場に来てくれるので、僕としては非常に助かってます」と尊敬の念を持って語ると、山田は「撮影では2人とも目に力を入れて『フーッ! フーッ!』ってやってるばっかり。監督も『もっとグッという感じ』ばかりだし」と苦笑い。眼差しで人を操る役柄の藤原も「目に力を込めてるのに、監督に1日50回くらい『もっとグッと』と言われる。大変です」と同調して笑いを誘った。

中田秀夫監督が丁寧に演出

人を操る役柄のため、あまりアクションもなくセリフも少ないという藤原に対し、藤原から攻撃を受ける側の山田はアクションシーン満載。本格的なワイヤーアクションが初めてだという山田は「アクションばかりで、撮影4日目で『何でこのオファー受けたんだろう?』と後悔しました。早く終わらないかな」とこぼしつつ、「あくまで普通の人間でヒーローじゃないので、必死でギリギリな感じのアクションにしようと気を付けてる」と真摯に取り組んでいる様子。そんな山田に、藤原は「真近で見ていて『暑い中大変だな。一人で大立ち回りして頑張ってるな』と申し訳ない気持ち。山田くんによる山田くんのための映画だと思って応援してる」とエールを送った。

また、この日は"男"に操られるヒロイン・叶絵役の石原さとみも出席。2005年のドラマ『H2』以来の共演となった山田に「もちろん覚えてますよ。今回はラブが1個くらいしかないね」と言われ、「覚えててくれて良かった! 監督、ラブ無かった~」と残念がるも満面の笑み。石原は「人に操られる経験がないので、『これで大丈夫?』と思いながら演じてる。意識がない状態の演技は理解が難しくて」と撮影の苦労を明かしつつ、「最初は"男"に対して何だコイツって思うけど、終一と関わることによって"男"の感情が見えてくる。終一の一途なところが素敵です」と男の戦いに魅了された様子。最後に「藤原さんと山田さんが楽しんで撮影してるので、出来上がりは面白いんだろうなと勝手に思ってる。みなさんも期待してて!」と笑顔でアピールした。