Texas Instruments(TI)は9月10日、統合型ステッピングモータプリドライバ「DRV8711」を発表した。

同製品は、マイクロステッピングインデクサ、ストール検出機能を内蔵している他、あらゆるモータの簡単で効率的な調整を可能にする電流レギュレーション機能を集積しており、高度な設定が可能となっている。外付けMOSFETによるステッピングモータの制御により、発熱を最小化するとともに、競合製品と比較して出力電流設定性能を20%高め、設計のカスタム化を可能にしている。主な用途としては、繊維機械、ビデオ監視、ATM機器、ロボット、オフィスオートメーション機器、舞台照明機器などが挙げられるとしている。

具体的には、ドライバステージのカスタム設定が可能。ゲートドライブは、400mAのシンク電流当たり最大200mAのソース電流をサポートしており、各用途の要件に応じスルーレート、デッドタイム、オンタイムの設定ができる。

また、外付けnチャネルMOSFETを駆動するチャージポンプを内蔵しており、設計オプションが増えるとともに、コスト効率も向上している。

さらに、スムースなモーションプロファイルにより性能を向上させた。最大1/256のマイクロステップのステッピングモータ回転が可能な、マイクロステッピングインデクサを集積。アダプティブブランキングタイムの他、スロー、ファスト、ミックスド、オートミックスドなどの多様な電流減衰モードにより、スムースなプロファイルを実現し、モータ性能を最適化する。

加えて、内蔵のストール検出機能または、オプションの逆起電力(BEMF)出力の処理により、ストール状態を検出し、外付けコントローラを通じ必要な処理を実行。同機能により、モータストールによる影響を最小限に抑制する。この他、SPIインタフェースにより、出力電流、マイクロステッピングモード、電流減衰モード、ストール検出機能の設定が可能で、システム校正と設計作業を簡素化する。また、モータの過電流、プリドライバの過電流、過熱、電圧低下状態を防ぐシステム保護機能により、信頼性と堅牢性を向上している。

なお、パッケージは放熱パッドを備えた38ピンHTSSOP PowerPad。価格は1000個受注時で2.75ドル。評価モジュール「DRV8711EVM」は現在供給中。同評価モジュールは超低消費電力マイコン「MSP430F2617」、複数の外付けNexFET power MOSFETを搭載している他、外部から最大52Vの電圧を電源ヘッダ経由で提供可能。USBインタフェースを通じGUIによるマイコン「MSP430F2617」との通信もできる。コントローラの性能評価のため、ステッピングモータ1個を同梱している。

TIの統合型ステッピングモータプリドライバ「DRV8711」