宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月9日、8月27日に打ち上げを中止したイプシロンロケット試験機の新たな打ち上げ日を2013年9月14日以降に決定したと発表した。

イプシロンは8月27日に打ち上げを予定していたが、打ち上げのわずか19秒前に異常を検知、打ち上げを中止していた。今回の打ち上げ日の再決定は、異常の原因の究明および、それに対する対策が施されたことを確認したことによるもの。

実際に、9月8日には、射場にてランチャを旋回させ、機体を発射点上に露出した状態にて、打ち上げ5秒前までカウントダウンシーケンスを確認(熱電池も起動させている)するシーケンス点検も実施しており、それらの結果で問題が確認されなかったことから、今回の打ち上げ日の決定となったという。

また、イプシロンロケット試験機には、惑星分光観測衛星(SPRINT-A)が搭載されている。SPRINT-Aは、地球を回る人工衛星軌道から金星や火星、木星などを遠隔観測する世界で最初の惑星観測用の宇宙望遠鏡で、金製や火星などの地球型惑星の大気が宇宙空間に逃げ出すメカニズムの調査・研究が行われる予定となっている。

なおJAXAでは、詳細な打ち上げ日/打ち上げ時間については、現在調整を進めているところだとしている。また、発射場となる内之浦宇宙空間観測所がある鹿児島県肝付町に確認したところ、当初予定の公式見学場6カ所については、前回同様に設置される予定で、見学場の駐車場となる学校のグラウンドについても、学校ならびにPTAとの協議の結果、貸出の許可を得ることができたという(見学場によっては、一般車両の見学場への乗り入れが禁止されており、シャトルバスで行く必要のあるところがあるほか、入場許可証が必要となる場所もあるので(すでに前回の打ち上げ時に発行済み)、留意しておく必要がある)。

公式見学場として指定されている6カ所は以下のとおり。

  1. 宮原一般見学場(抽選)
  2. 叶岳芝生広場(シャトルバス運行)
  3. 叶岳ボードウォーク(シャトルバス運行)
  4. 内之浦小学校
  5. 内之浦漁港
  6. 岸良海岸

射場に設置されたイプシロンロケット試験機 (c)JAXA