歌手の宇多田ヒカルが5日、オフィシャルサイトを通じ、先月22日に死去した母・藤圭子さんの遺言書があったことをあらためて報告し、一部報道にあった藤圭子さんの本名の記載内容について訂正した。

宇多田は「藤圭子を長年応援してくださった皆様へ」と題し、冒頭で「亡き母に代わって、皆様への感謝の気持ちを述べさせてください。長年の応援、ご支援、ありがとうございました」と感謝の言葉つづった。そして、「今なお母の心配をしてくださっている方々にお伝えしたいことがあります」という書き出しから、一部報道で母の本名が誤って記載されていることと、母が遺した遺言書の内容に触れた。

まず、母の本名については「阿部純子ではなく、宇多田純子です」とし、「父と離婚後も、母は旧姓の阿部ではなく宇多田姓を名乗ることを希望し、籍も父の籍においたままでした」と告白。「夫婦だとか夫婦ではないなんてこと以上に深い絆で結ばれた二人でした」と振り返り、「亡くなる直前まで、母は娘である私だけでなく、父とも連絡を取り合っていました。父は、母が最後まで頼っていた数少ない人間の一人です」と伝えた。

また、母の遺体との面会希望を断ったことについて、「この場を借りてお詫び申し上げます」と謝罪し、「母の気持ちを考えた上での、喪主としての私の判断でした」と説明。火葬のみで葬儀を行わなかったことについては、「遺書はなかったと報道されていますが、今年の始めにしたためられた遺言書はありました。他の解釈の余地の無い、母らしい、非常に率直な遺言書です。その遺言書の内容に基づき、出来る限り母の意向に沿うべく精一杯の弔いをしています」と報告した。

そして、「母は、身内や知人の葬儀には出席せず、自分の時間、自分のやり方でお祈りを捧げる、というポリシーの持ち主でした。葬儀や告別式といったイベントを好むような人ではなかったことを、母をよく知る者、母のためを思う方なら、ご理解してくださることと思います」と続け、「私も藤圭子のファンでした。今も、この先もずっとファンであり続けます」と結んでいる。

藤圭子さんの遺言書については、父・宇多田照實氏が26日付で同オフィシャルサイトにコメントを発表した際に、「通夜、葬儀に関しては、故人の遺言書に書かれていた本人の強い意志に従い、執り行わないことにしました」と触れていた。