みずほ情報総研と千葉大学の黒岩・堀内研究室は9月4日、モーションセンサーデバイスを活用した、手話を日本語へと自動変換する「手話認識システム」の開発に着手、2014年の実用化を目指し、2013年10月にプロトタイプ版の完成を予定していると発表した。

今回共同開発するシステムは、Kinectをはじめとした市販のモーションセンサーデバイスを用いて手話者の前腕部(手首や肘)の動きを読み取ることで、予め登録した単語ごとの特徴データと比較して自動的に単語の意味を推定し、リアルタイムで連携するディスプレイ上に文章形式で表示。手話をリアルタイムでテキスト化することで、聴覚障害者と健聴者との円滑なコミュニケーションを支援することを目的としている。

手話認識の流れ

両者は、2013年4月より手話認識技術に関して共同研究を開始し、手話認識技術の実用化について検討を進めてきた。共同研究の結果、これまで千葉大学が研究を進めてきた手話認識技術と、高精度化・低価格化が進んだ市販のモーションセンサーを組み合わせることで、実用に耐えうる性能・精度を持った手話認識システムの開発が可能と判断し、今回の開発決定に至った。

開発中の手話認識システムの画面

今後は、みずほ情報総研が、手話認識システムの中心となるアプリケーション全般の開発を担当し、千葉大学が、手話認識のための技術やノウハウに関する技術指導、および手話認識に必要となる手話の単語ごとの特徴データの整備を担当し、開発を進めていく。

なお、みずほ情報総研では、10月中旬をめどに「手話認識システム」のプロトタイプ版を完成させ、展示会等に出展する予定となっている。