ルネサス エレクトロニクスおよび同社100%子会社であるルネサス モバイル(RMC)は9月4日、RMCの子会社であるルネサス モバイル・ヨーロッパ(RME)とRMEの子会社であるルネサス モバイル・インド(RMI)の全株式、ならびにLTEモデム技術にかかる一部の資産をBroadcomへ譲渡する最終契約を締結したことを発表した。

既報の通りルネサスは6月27日に、RMEおよびRMIのLTEモデム技術に関する新規開発および拡販を停止し、当該事業から撤退する方針を決定したことを表明し、RMEおよびRMIの事業停止に向けた手続きを進めていたが、同発表の後、Broadcomより、LTEモデム技術の取得に向けた打診があったという。

この打診を受けて、ルネサス側で検討を重ねた結果、通信系半導体で強みを持つBroadcomにLTEモデム技術ならびにRME、RMIを譲渡することがすべてのステイクホルダーにとって望ましいとの判断に至り、今回の譲渡に至ったという。

RMEは、フィンランドのヘルシンキ市にオフィスがあり、2013年3月期の売上高は1億6600万ユーロ(約215億8000万円)、営業利益は700万ユーロ(約9億1000万円)となっていた。一方、RMIはインドのバンガロール市にオフィスがあり、2013年3月期の売上高は10億500万ルピー(約15億800万円)、営業利益は2億5100万ルピー(約3億7700万円)となっていた。

なお、今回の譲渡想定価格(RME/RMIの譲渡およびLTEモデム技術に係る一部資産の対価)は約1億6400万ドル(約164億円)であり、譲渡価額については、株式譲渡契約に基づき今後調整される見込みだという。また、ルネサスでは、今回の譲渡に伴い、LTEモデム事業からの撤退を速やかに実行し、注力事業への集中を加速することを図っていくとするほか、譲渡先であるBroadcomは注力する通信向け半導体事業の強化が図れるため、双方にとって企業価値の向上につながるものと期待されるとコメントしている。

BroadcomのWebサイトに表示されるルネサスからLTEモデム技術を譲りうけることを示す画像