計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは9月4日、多機能を求める自動計測システムに適した1/2kWの大容量システム電源「アドバンストパワーシステム(APS) N6900/7900」を発表した。これにより、大容量電源市場へ本格的に参入するという。

同製品は、電源回りの様々な測定課題を解決するために開発されたもので、「高価な測定対象物を電源回りのダメージから保護したい」、「ダイナミックに負荷が変動しても出力品質を落とさないようにしたい」、「稼働時の大電流、待機時の小電流をシームレスに評価を行いたい」といったニーズに対応する。高速な電圧・電流設定、高性能な電圧・電流・蓄積電力・電力効率測定機能、自動計測システムの開発・サポートコストの低減につながる統合機能が特徴となっている。

また、ラック1Uサイズで1kW容量を実現している他、1/2kW容量のものとしてはユニークな2象限動作が可能となっており、電源および電子負荷の機能が統合されている。基本モデルと高性能モデルがあり、出力電力はいずれも1kWタイプと2kWタイプを用意している。さらに、最大5台の並列稼働で最大10kWの出力に対応する。「APS N6900」シリーズは、高性能が求められる自動計測システム向け、「APS N7900」シリーズは、高速な電圧・電流設定および測定が必要となる自動計測アプリケーション向けとなっている。

コマンド処理時間は2ミリ秒、アップ/ダウンプログラミング速度(印加電圧の立ち上がり/立ち下がり時間)は500マイクロ秒。デジタルマルチメータ並みの確度を有した電圧・電流測定機能を備えると同時に、複雑なパワー条件を細かく制御できるスマートトリガ機能により、高価な測定対象物を保護する。この他、「N7900A」のみ、ダイナミック測定向け電流・電圧高分解能デジタイザを搭載している。

なお、価格は61万4000円(税別)から。すでに販売を開始しており、出荷開始は11月を予定している。今後、5/10/15kWオートレンジ出力プログラマブル電源として「Agilent N8900」シリーズの発表も計画している。

アジレント・テクノロジーの大容量システム電源「アドバンストパワーシステム(APS) N6900/7900」