東芝は8月21日、正弦波駆動と最適な進角制御によって、高効率と低騒音を実現した車載汎用の三相ブラシレスモータ用プリドライバIC「TB9080FG」を製品化したと発表した。

自動車では燃費向上やCO2削減を目指し、アイドリングストップを自動的に行う機能の搭載が進みつつあり、停車時のエンジン停止により、これまであまり目立たなかったエアコンの駆動温などの騒音が目立つようになってきた。こうしたエアコンの騒音の主な原因は送風部のブロアファンであり、ファンの形状最適化やダクト筺体の吸音材などの改良が進められているが、そうしたメカ的な対応も限界に近づきつつあり、エレクトロニクス側での対応が求められるようになってきている。 同製品は、モータ駆動信号を従来の120度矩形波制御から正弦波制御に変更することで、モータの騒音の電気的な低減を実現。また、外部から受け付けたPWM信号を、フィルタ回路で処理してスロースタートを行なうことにより、スタート時の出力のオーバーシュート発生の防止を可能にした。

さらに、モータ電流を測定して、進角量を約1度刻みで自動的に制御することにより、効率改善を可能としたほか、ホール素子から得られる信号と設定速度データとを比較してフィードバック制御を行うことで、モータ回転数の精度を向上させることが可能となっている。

加えて、チャネル数は6ch内蔵(DCDC昇圧式Highサイド3ch、Lowサイド3ch)で、内蔵した回転数データテーブルにより、4~12の各極数のモータに対応可能。

なお2013年9月から量産を開始する予定で、サンプル価格は400円、量産規模は年間300万個を予定している。

東芝の車載汎用の三相ブラシレスモータ用プリドライバIC「TB9080FG」