米MasterCard、米C-SAMと大日本印刷(以下、DNP)は8月20日、「ホワイトラベル」(OEM提供)対応可能なモバイル・ウォレット・サービスを、日本の企業向けに本格的に提供を開始すると発表した。

ホワイトラベル対応とは、非接触決済・プリペイド・クーポンなどの機能をあらかじめ実装することで、さまざまな企業ブランドでのサービスを展開しやすくした「ひな型Walle」で、安全で利便性の高いスマートフォンでの非接触決済を基本機能として装備した上で、企業独自の付加価値サービスを加えることができるため、利用者に快適なショッピング体験などをスムーズに提供することが可能になる。

今回、提供を開始するホワイトラベル対応NFCモバイル・ウォレット・サービスは、C-SAMが開発・提供するモバイル・サービス・プラットフォームに、MasterCardの非接触決済ソリューションであるMobile PayPassのテクノロジーを統合したもの。非接触決済・クーポンなどの機能をあらかじめ実装したアプリやシステムを提供する。MasterCard PayPassは、現在、世界56カ国、約120万カ所の加盟店で利用することができる。

利用者は本サービスにより、スマートフォンでのスムーズな決済のほか、ポイントやクーポンなどのさまざまなサービス機能を、1つのモバイル・ウォレットのアプリに集約。決済と同時に、クーポンによる割引やポイント付与などといった付加サービスが自動的に適応されるため、利用者は複数のポイントカードやクーポンを持ち歩き、その都度提示する必要がなくなる。

本サービスは、海外ではすでにシンガポールでモバイル・キャリア事業を手掛ける情報通信会社であるStarHubの自社ブランドモバイル・ウォレットとして、DBS銀行、交通系非接触決済カードを運用するEZ-Link社が共同で、2012年8月よりサービスを提供済。

日本では、DNPが各企業に向けて、C-SAMのモバイル・トランザクション・プラットフォーム技術に基づいてモバイル・ウォレット機能のカスタム開発やPayPassアプリに必要なSP-TSMサービスの提供などの技術支援およびITインフラの構築と運用支援を行う。