セイコーエプソンは8月19日、1パッケージで複数のクロック出力が可能な低ジッタSAW発振器「MG7050」シリーズを発表し、サンプル出荷を開始した。

同製品は、ファンアウトバッファを内蔵し、1パッケージでありながら、2本または4本のクロック同時出力が可能。さらに、独自のSAW共振子技術と半導体技術を用いることで、ファンアウトバッファを内蔵しながら、従来商品と同等の0.12ps(156.25MHz時)の低ジッタ特性を実現している。これにより、複数のクロック源を必要とするファンアウトバッファ外装の場合と比べて、約1/2の省実装面積化、低消費電力化が可能となった。

また、様々なシステムに対応できるように、出力形式はLV-PECL、LVDS、HCSLの3種類を用意している。さらに、周波数を分周する機能も備えているため、システムを簡素化し、コストを削減しながら、必要な性能を得られる。

近年、次世代高速通信ネットワークにおける機器では、通信の大容量化、高速化が飛躍的に進み、様々な周波数への対応と、より一層の低ジッタ特性を持つ発振器が求められている。特に、ルータやスイッチをはじめとするネットワーク機器においては、取り扱う情報量が急激に増加しているため、システム上ではクロック源を複数のブロックへ分岐させて駆動する必要がある。通常、このようにクロック源を分配するためには、ファンアウトバッファが必要となるが、部品点数や消費電力の増加、さらには出力経由時にジッタ特性の劣化が生じてしまう。そこで、これらの問題を解決するために、発振器に最適なファンアウトバッファを内蔵した、低ジッタ特性を持つ新しい多出力発振器を商品化したという。

エプソンの低ジッタSAW発振器「MG7050シリーズ」