セイコーエプソンは8月8日、キューブが主催するアイドルグループ「東京パフォーマンスドール(TPD)」のパフォーマンス公演において、エプソン製シースルーモバイルビューアー「MOVERIO」を提供し、8月15日からAR(拡張現実)演劇の実証実験を開始することを発表した。

MOVERIOは眼鏡のように装着して利用するシースルータイプのヘッドマウントディスプレイ(HMD)で、ハンズフリーで、周囲の様子を確認しながら映像を見たり、目の前の景色と映像を重ね合わせてARを楽しんだりすることが可能。

今回の実証実験は、先鋭的なパフォーマンス集団であるTPDと協力する形で、MOVERIOの特長を生かしたこれまでにない新しい表現手法の可能性を探ることを目的に実施される。

具体的には、講演が予定されている2013年8月15日から2014年6月までの期間に、劇場内に設けられた「日本初のHMDシート」(1公演中20席を予定)にて、各公演のクライマックスシーンで、MOVERIOを装着して観賞してもらうことで、3Dオブジェクトや字幕などのテキストを、舞台シーンの実視野に重ね合わせて表示し、エンターテインメント性を高める演出を目指すとしている。

この映像再生は、電通国際情報サービス(ISID)が担当し、同社が開発したWi-Fiベースのマルチキャスト伝送技術により、あらかじめMOVERIOにセットされた映像や音声など複数の演出素材を、1台のPCから20台のMOVERIOへ舞台進行に同期して制御信号を伝送することで、一括同時再生させる仕組みをとる予定。

なお、TPDの8月のパフォーマンス公演「東京パフォーマンスドール PLAY×LIVE 『1×0』」は、東京都・渋谷の「CBGKシブゲキ!!」にて開催予定で、チケット料金は全席指定で前売り・当日券ともに一般4800円(未就学児童は入場不可)。「日本初のHMDシート」のチケットはチケットぴあ/イープラスのみの取り扱い(前売り。限定枚数)でこちらも4800円となっている。

シースルーモバイルビューアー「MOVERIO」を用いた観劇イメージ。装着者は東京パフォーマンスドールの脇あかりさん