CEVAは、同社のイメージ&ビジョン・プラットフォーム「CEVA-MM3000」向けアプリケーション開発キット(ADK)を開発したと発表した。

同キットには複数のツールが用意されており、例えば600を超えるコンピュータ・ビジョン処理向けの、プログラミング機能を持つ標準ライブラリである「CEVA-CV」は、開発者がターゲット・アプリケーション向けにあらかじめ最適化された標準OpenCVカーネルを用いることを可能にするもので、それにより迅速なTime-to-Marketを実現することが可能になるという。

また、データ転送、DMAトランザクションおよび、カーネル実行を含むすべてのシステム・リソースの要求を処理するために開発されたソフトウェア・ツール「SmartFrame」は、システム・アーキテクチャを抽象化し、アプリケーション開発者向けにフレーム制御を自動化することが可能であるほか、カーネル・トンネリングもサポートしており、複数の機能を同時にリンク可能なため、メモリ幅やシステム全般の電力消費を最少化することを可能とする。

さらに、スケジューラDSPタスク・マネージメント&スケジューリング・ソフトウェア・モジュールである「リアルタイムOS(RTOS)」を用いることで、タスクの優先順位付けおよび、スイッチングを実行することが可能なほか、CPUとDSP双方の通信チャネルおよびシステム・ドライバを設定し、プログラマ向けにCPU-DSPインタフェースを抽象化できる「CPU-DSPリンク」を用いることで、CPUからDSPへのタスク負荷を自動的に除去することが可能となる。

加えて、CEVA-CVライブラリを含む幅広いコンピュータ・ビジョン機能向けにCPU上にあるソフトウェアAPI「CV API」は、DSP上で走るモジュールはすべて完全に抽象化されており、CPUプログラマが容易に利用することが可能だという。

また同社は、同発表に併せて、同プラットフォーム向けデジタル・ビデオ・スタビライザ(DVS)ソフトウェアも発表している。

同ソフトは、CEVA-MM3000プラットフォーム向けに完全に最適化されており、最少の処理負荷と低いメモリ幅で稼働するため、例えば、28nmプロセスにおいて、CEVA-MM3101は、35mW以下の電力消費で、1080p30 fpsビデオ・ストリームにリアルタイムで稼働することが可能なほか、シングルCEVA-MM3101プラットフォーム上で最大4Kの超HDビデオ・ストリームにまで対応することが可能だという。

さらに、スマートフォンやカメラなどのハンドヘルド製品のビデオ&イメージ機能を用いた際に生じやすい、動きによるブレを削減する巻き上げシャッターおよび複数軸の補正を含む機能をサポートしており、さまざまなライティング条件下でも、パンやズーム、回転時の揺れを削減し、動きを滑らかにすることも可能だという。

なお、ADKはすでに同プラットフォームのライセンシー向けに提供を開始しているという。