首都大学東京の竹井仁教授

慢性的な肩こりを抱え、「自分はこり体質なんだ」とあきらめている人もいるのではないだろうか。中には、肩のみならず、背中や膝、お尻など全身にこりを感じている人もいるようだ。解消してもぶり返すしつこいこり、その原因は“ミルフィーユこり”かもしれない。

筋肉のこりの連鎖が引き起こす

そもそもこりとは、筋肉が固く緊張してしまい、自力では緩められなくなった状態のこと。首都大学東京の竹井仁教授によると、筋肉は何層にも重なっており、肩を例にすると、こりやすいがほぐれやすい表層筋の奥には深層筋があるという。

深層筋はこりやすくほぐれにくいという特徴があるため、なかなかこりが解消されずいつまでも残ってしまう。この深層筋のこりが表層筋のこりまで誘発し、こりがぶり返すようになる。こうした連鎖的なこりが“ミルフィーユこり”である。

その猫背はこりのせい!?

“ミルフィーユこり”を放置すると、周辺の筋肉にまでよじれ・こりが誘発され、こりやすい姿勢や身体のたるみを助長させてしまう。その典型的な例が骨盤の傾きと猫背である。骨盤周辺の筋肉が緊張することで、骨盤が前傾して上半身が前のめりになる、若しくは後傾して全身が反り返るという、猫背の状態になるのだ。

“ミルフィーユこり”が引き起こす猫背の例

また、“ミルフィーユこり”は精神面にも影響を与えうる。消えないこりに長期間悩まされることで、「だるくなる」「イライラする」「集中力が続かない」「ちょっとしたことで気分が沈む」など、抑うつ的な症状にもつながる恐れがある。

以下にひとつでも当てはまるものがあれば、“ミルフィーユこり”である可能性が高い。

・いつも同じところにこりを感じる
・こりやすい体質だとあきらめている
・こった部分を押すと、痛みが他のカ所にも響く気がする
・無意識に区部や肩に手を当てて、もむようなしぐさをしる

“ながしポイント”を重点ケア

“ミルフィーユこり”はただ温めたり、指圧したりするだけは十分に解消することはできない。“ながしポイント”をケアすることで、より効果的に多層のこりをほぐすことができる。この“ながしポイント”は、こりの原因になるよじれが集まった部分で、ここには血液やリンパ、ゲル状の体液(基質)が滞っている。ケアには磁気治療器や、専門知識がある人の手技などが有効だ。

“ながしポイント”は全身で180カ所以上、上半身だけでも50~60カ所以上ある。肩こりによく見られる猫背姿勢を解消するポイントとして、骨盤が前傾している人、また、後傾している人は以下の“ながしポイント”をケアするようにしよう。

・青丸……骨盤が前傾した猫背体質の“ながしポイント”
・赤丸……骨盤が後傾した猫背体質の“ながしポイント”
・緑丸……共通の“ながしポイント”

猫背体質の“ミルフィーユこり”を解消する、首・肩の“ながしポイント”

猫背体質の“ミルフィーユこり”を解消する、背中・腰の“ながしポイント”

猫背体質の“ミルフィーユこり”を解消する、正面・足の“ながしポイント”