Texas Instruments(TI)は、システム全体の静止電流が100nAで、バッテリ駆動のマイコン搭載型水道/ガス検量計などといった産業用機器の消費電力を最小化するマルチモード電源管理ユニット(PMU)「TPS65290」を発表した。

同製品は、100nA~500mAの負荷条件を含め、システム内のすべての電源要件を管理でき、同社のマイコン「MSP430」ファミリなどと、シームレスな動作を実現する。

具体的には、マイコンのスリープモード向けの常時通電電源により、1個の電池で10年以上にわたる動作を実現するシステム設計が可能となる。工場での設定が可能なオプションとしてプリセット電圧を備え、出力電流が10mA、スリープモード時静止電流(IDDQ)が100nAの漏れ電流バイアスコントローラ、出力電流が10mA、静止電流が400nAの低ドロップアウトレギュレータ(LDO)、出力電流が30mA、静止電流が300nAの降圧型コンバータなどが用意されている。

また、基板面積、部品点数、コストを最小化を図るため、出力電流500mAの昇降圧型コンバータ、出力電流150mAのLDO、8個のパワーディストリビューションスイッチ、入力電圧リカバリコンパレータ、ステートマシンの他、工場での設定が可能なSPI/I2Cインタフェースを、20mm2の小型パッケージに集積している。

さらに、複数のアプリケーション向け設定を実行するため、広範なEEPROM設定とプログラマブル出力電圧により、システムの出力電圧最適化の際の自由度を向上させることができる。

なお、パッケージは4mm×5mmサイズの24ピンVQFN。価格は1000個受注時で1.75ドル。すでに量産出荷を開始している。