The University of California, Los Angeles

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のコンピュータサイエンスチーム、テキサス大学オースティン校の研究者およびIBM Researchの研究者らは7月29日(米国時間)、「Computer scientists develop 'mathematical jigsaw puzzles' to encrypt software」において、数学的な強さを持った強力な難読化システムを開発したことを発表した。従来の難読化は数日ほどでハッカーに解析される程の強度だったが、同チームが開発した難読化システムは解読にあたって数学的な問題を解く必要があり、解析には数百年といった時間が必要になるだろうと説明している。

コンパイルするタイプのプログラミング言語では、コンパイル後のファイルからもとのソースコードを推測して出力するといったリバースエンジニアリングが可能。これはどのプログラミング言語でも同じ状況にある。リバースエンジニアリングされた結果をより読みにくくすることを「難読化」と呼んでおり、難読化システムを使うことでソースコードの記述を変えることなく、解析されることを難しくする効果を実現することができる。

UCLAらの研究者が発表した今回の難読化システムは、その解析の困難さに数学的な強度を持っている点が注目される。難読化は知的財産の保護やセキュリティの向上などに効果が期待でき、今回の研究成果はソフトウェアの難読化の分野に大きな影響を与える可能性がある。