Appleが開発中と噂されるプラスチック素材を使った廉価版iPhoneについて、その存在を裏付けるものといえそうな資料が公表された。米非営利団体のChina Labor WatchがAppleのサプライヤーPegatronの労働環境について覆面調査した結果報告書に「low-priced plastic iPhones」「plastic iPhones」などの記述を確認することができる。

China Labor Watchは、AppleのサプライヤーPegatronグループの3工場における労働環境の実態について報告。同報告書は、iOSデバイス製造するPegatronグループの上海工場などを今年3月から7月にかけて覆面調査したもので、報告書は劣悪な労働環境を伝えるものとなっているが、廉価版iPhoneに関する記述もいくつか見ることができる。

報告書の1ページ目のサマリーは、Appleが廉価版iPhoneを準備しているという書き出しから始まり、8ページ目のPegatron上海工場の概要説明についても、iPhone 4、iPhone 4S、iPhone 5の組み立てに加え「low-priced plastic iPhones」と記載。廉価版iPhoneにプラスチック素材が使われていることがわかる。

サマリーの書き出しに廉価版iPhoneに関する記述

工場概要に廉価版iPhoneの組み立てが記載

また、覆面調査を行った7月9日の出来事が記載されている28ページ目には、「今日の仕事は、組み立てラインでスクラッチ傷が付かないように、iPhoneのプラスチックの背面に保護フィルムを貼る作業だった。このプラスチックカバーのiPhoneはAppleが近くリリースするものである。作業は簡単で、ベテラン従業員から5分指導を受けた後に一人でこなすことができた。保護フィルムを貼るのは約1分程度。この新しい電話機はまだ大量生産に入っていないので、量をこなすことは重要ではなかった」と記され、執筆段階で大量生産には入っていないことが伺える。

7月9日の出来事に廉価版iPhoneに関する記述が記載