ブログサービスTumblrの設立者でCEOのDavid Karp氏が、NSFW (職場閲覧不適切)コンテンツや成人コンテンツに関するポリシーの適用でユーザーを混乱させたことを公式ブログで謝罪した。

Tumblrはサービス開始時から自由な表現や創作を認め、それがユーザーを増やす原動力となっていた。ところが、同社がYahoo!に買収されたことで成人コンテンツなどが一掃される可能性が懸念され始め、実際に検閲を実施していると指摘されていた。

Karp氏によると、サービスの提供方法に変更を加えてはいるものの、Tumblrの基本姿勢は変わらない。成人コンテンツの取り扱いについて混乱が生じた要因の1つとして、まずセーフモードのバグを挙げた。昨年TumblrにはNSFWコンテンツをタグや検索ページから除外するセーフ・モードが実装され、現在は新規アカウントでNSFWがデフォルト設定になっている。ところが設定でセーフ・モードを無効にしても全てのブログが結果に表示されない問題があったという。そのバグはすでに修正された。

モバイルアプリでいくつかの検索語がブロックされる問題も指摘されているが、それはモバイルプラットフォーム側の規約に従ったものだという。しかしながら「#gay」のような検索対象になるべきタグも成人コンテンツが結果に表示される可能性から特定のプラットフォームではブロックせざるを得ないのが現状で、解決策としてよりインテリジェントなフィルタリングの提供を約束している。なお、Webブラウザを使ってtumblr.comで検索するとフィルターされていない結果が表示される。

一方でKarp氏は、今年初めからごく一部のブログをGoogleのような検索エンジンから削除し始めたことを認めた。これらはスパムに等しい商業ポルノサイトの無料ホストとしてTumblrを利用していたためだ。ところが、ユーザーがブログの設定でNSFWでチェックを入れた場合も成人コンテンツとしてフラグを付けたように扱っていたケースがあったという。同氏は「どうしたわけか」としているのみで原因は不明なままだが、NSFWと成人向けの2つのオプションが適切に分けられず、ユーザーを惑わす結果になった。こうした混乱を避けるためにオプションをNSFWに一本化し、ユーザーが「Flag this blog as NSFW」にチェックを入れたブログはセーフモードで除外されるように改めた (サードパーティの検索エンジンでは宣伝される)。

最後にKarp氏は、TumblrのNSFWコンテンツの扱いに関する最近の変更は修正のみであり、この件に関してTumblrの方針に変わりがないことを強調した上で「混乱を招いたことをお詫びする」と述べた。