大日本印刷(DNP)は7月22日、印刷技術を用いて模倣が困難で偽造防止効果の高いセキュリティ製品として「蛍光発光インキ印刷(紫外線照射型)」「蛍光発光インキ印刷(赤外線照射型)」「光源変色インキ印刷」を開発したことを発表した。

高性能なカラーコピー機やスキャナーなどが普及したことにより、金券などの精巧な偽造品が増加しており、これらの流通防止に向けた対策が重要視されている。DNPでは、自社の持つ印刷技術を活用し、紙幣や金券などの偽造防止やブランド保護に効果的なセキュリティ製品を開発し、今回は新たに3製品をラインアップに追加した。

蛍光発光インキ印刷(紫外線照射型)は、通常の状態では無色透明だが紫外線を照査すると発光するインキを用いる。365nmの波長の紫外線を照射すると緑色に発光するタイプのインキと、254nmの波長の紫外線を照射すると赤色を発光するタイプのインキを複合して印刷することで、2通りの色を発光する印刷製品を実現した。

蛍光発光インキ印刷(紫外線照射型)。2種類のインキを複合的に使用している

蛍光発光インキ印刷(赤外線照射型)は、通常は無色透明で赤外線を照射すると発光するインキを使用する。着色することも可能。赤外線を照射すると緑色に発光するタイプと、赤外線を照射するとインキが赤外線を発光して特殊なセンサーで検知できるタイプの2つがある。

蛍光発光インキ印刷(赤外線照射型)。赤外線を照射すると発行する(写真右)

光源変色インキ印刷では、光源によって色が変わって見えるインキを使用する。太陽光などの自然光のもとでは淡黄色だが、青・緑・赤の3波長の蛍光灯などのもとではピンク色に変化する。光源変色しないピンク色のインキと複合印刷することで、光源によって異なる絵柄が現れる製品を作ることもできるという。

光源変色インキ印刷。蛍光灯の下ではピンク色に変化する

価格は、通常の印刷と比較すると、およそ5~10%程度アップするという。

発表によればDNPは、新たに加えた3製品を含め、さまざまなセキュリティ製品を組み合わせることで、偽造防止性能をさらに向上したいとのことだ。