KDDIは7月19日、海底ケーブルの保守を行う「KDDIオーシャンリンク」を報道陣に公開した。海底ケーブルは、データの伝送容量が急速に増大しており、6月27日に運用が開始されたアジア向け新ケーブル「SJC」は、全体容量が約28Tbpsにも達する。
かつては、衛星が国際通信の主流であったが、ケーブル技術の向上によって1990年頃にはケーブルが衛星の通信容量を抜いた。現在では、海底ケーブルが大容量のデータ通信伝送、衛星はブロードキャスト放送という棲み分けが行われている。
2010年3月30日に運用が始まった「Unity」は、日米を繋ぐ海底ケーブルで、KDDIやGoogleなど6カ国の事業者によって敷設されている。日米間には多数の海底ケーブルが敷かれているが、東日本大震災では、Unity以外のケーブルが断線などにより利用できなくなったという。
そのようなケーブルの断線、破損を修理するのが、「KDDIオーシャンリンク」だ。世界で40隻しかない、海底ケーブル保守船の1つ。日本では、KDDI関連会社「KCS」が保有する同船と「KDDIパシフィックリンク」、NTTが保有する1隻の合計3隻が運用されている。
アジア・太平洋地域に「保守ゾーン」が3地域設定されており、日本の船は「Yokohama Zone」の保守を担当する。東日本大震災では、国内の保守船だけではなく、米国などからも応援の船が来たが、全面的に復旧できたのは8月だったという。
保守船は、365日・24時間待機しており、修理要請を受けた場合、原則的に24時間以内の緊急出港が求められている。一度出港すると、7日～14日程度の現場作業を含む3週間は港に戻ることはできず、過酷な船旅となる。
また、日本海溝の保守作業では水深9200mのケーブルを引き上げるなどの大変な作業もあったが、「深海作業は非常に困難な作業なので、ギネスブックに申請してみたが却下された」など縁の下の力持ちである、保守作業はなかなか報われない面もあるようだ。
この後は、保守船「KDDIオーシャンリンク」の中の様子である。言葉で説明するよりも、写真を見ていただいた方が分かりやすいので、是非一つ一つ拡大してご覧いただきたい。
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KS-2型採線機 |
ブイ |
アンカー |
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フラットフィッシュグラプネル |
採線機 |
特殊な形状 |
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ケーブル保管庫から伸びるケーブル運搬機 |
これもケーブル保管庫 |
ケーブルタンク |
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船体後部 |
船体前部 |
KDDIグループロゴ |
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乗船部 |
船橋部 |
光海底ケーブルの断面図 |
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ケーブル敷設方法 |
船体見取り図 |
ケーブル修理方法 |
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代表取締役社長 矢田部 亮一氏 |
衛星とケーブルの役割は、時代と共に変わった |
ケーブルは所々で接続されている |
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日本から無数に伸びる海底ケーブル |
世界中に広がっている |
「Unity」概要 |
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新ケーブル「SJC」 |
SJCはアジアまで一直線 |
通信品質向上の取り組み |
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日本周辺に多数の海底ケーブル |
KCS 取締役 |
KCSは2隻の保守船を保有 |
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YOKOHAMA Zoneの保守を担当 |
保守船の運用は過酷 |
東日本大震災が起こった際も、沖合いで修理を行っていた |
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東日本大震災で多数の断線が起こった |
断線例 |
通常は漁具による事故が多い |
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日本と台湾は地震、中国は漁具による事故が多い |
無数に広がるケーブルネットワーク |
船橋内 |
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商船三井の艦長 |
運航システム |
海図 |
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ソナー図 |
居眠り防止装置 |
船橋から船体後部を見たところ |
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ジャイロシステム |
前進/後進装置 |
海底光ケーブルの断面 |
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ケーブル敷設指令所 |
客間もある |
緊急時のヘリポート |
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ヘリポートから船橋を見上げたところ |
ドコモの衛星通信装置を搭載していた |
冒頭のケーブルタンクはこの様に並んでいた |
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横浜港に停泊していたため、ベイブリッジが見えた |
緊急避難場所 |
船体上部 |
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救命艇 |
交換用推進翼 |
万が一を考え、複数搭載 |
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ケーブルを引き上げるMAACAS 4 |
巨大なアンビリカルケーブルによってMAACAS 4が船と繋がっている |
非常に長いアンビリカルケーブル |
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MAACAS 4には多数のメカが搭載されている |
MAACAS 4後部 |
アンビリカルケーブルと繋がっているMAACAS 4 |
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アンビリカルケーブルとは「へその緒」の意 |
真ん中から飛び出ているアームでケーブルを回収 |
MAACAS 4操作室と操作するアーム |
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実際の操作画面 |
MAACAS 4サイド |
MAACAS 4底部 |
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ケーブルを送り出す駆動部 |
別角度から |
ここからケーブルが流れていく |
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船体の底に敷き詰められているケーブル |
実際に敷設されているケーブル |
断面部 |
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障害が起こって回収された海底ケーブル |
海底の岩にこすれて損傷している |
修理した部分 |
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1つ前の画像からポリエチレンをはぎ取ったところ |
これが光ケーブル |
ケーブルを送り出すところから後部を見たところ |
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ケーブルを巻き取る装置 |
巻き取る補助装置 |
現行のブイ |
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船体後部 |
船体後部から中を覗いたところ |
MAACAS 4を利用せず、いかりを利用して引き上げることも多い |
