Silicon Laboratories(Silicon Labs)は、傘下のEnergy Microが開発したマイコン「EFM32 Wonder Gecko」ファミリ用の開発キット、およびデモストレーション用アプリケーションソフトウェアを発表した。

マイコン「EFM32 Wonder Gecko」は、ARM Cortex-M4プロセッサコアを基本に、フルセットのDSP命令と演算性能を高速にするハードウェアの浮遊小数点演算ユニット(FPU)を備えている。同開発キットと同サンプルソフトウェアは、高性能CPUと低消費電力の待機モードを備えた、32ビットデジタル信号制御の活用を支援するためのものとなっている。

設計時間をスピードアップするために、開発キット「EFM32」には、ビルトインJ-Linkデッバガと各キットが搭載している機能を使ったサンプルソフトウェアが含まれている。これらのデモ用ソフトウェアを使って、ハードウェアFPUとソフトウェアFPUの動作の違い、コンパイラの最適化、CPUのサイクルカウントも評価できる。

また、オーディオプリアンプイコライザは、オーディオコネクタからの信号をマイコンのオンチップA/Dコンバータ(ADC)でデジタイズし、D/Aコンバータ(DAC)を通して出力が生成される。さらに、オーディオ周波数アナライザは、キットのオーディオコネクタを使い、高速フーリエ変換(FFT)を行い、開発キットの液晶パネルに周波数プロットを表示する。この他、キットに搭載されている光センサを使った10~500HzのFFT分析のアプリケーション例が付属している。

プロジェクト例は、Cortex Microcontroller Software Interface Standard(CMSIS)のDSP機能ライブラリの一部であるアルゴリズムを使ってコード化され、複素数FFT、有限インパルス応答(FIR)フィルタ、行列とベクトル操作、統計解析を含んでいる。CMSISは、ARM Cortex-Mプロセッサ用のベンダー依存のないハードウェアアブストラクション層を提供する。

この他、同社が無償提供するSimplicity Studioパッケージソフトウェアには、必要な CMSISすべて、ボードサポートパッケージ(BSP)、「EFM32 Wonder Gecko」マイコンファミリのメリットである32ビットプロセッシング、DSP、FPU性能を含む開発キット用ドキュメントが含まれている。

なお、「Wonder Gecko」ファミリ用EFM32ハードウェア評価プラットフォームは現在供給中で、LCDセグメントディスプレイ、光およびタッチセンサ、ホスト機器接続用USBインタフェースを含むスターターキットの「EFM32WG-STK3800」は79ドル。抵抗膜式タッチパネルを搭載したQVGA対応のカラーディスプレイ、音声コネクタ、ジョイスティック、スイッチ、ユーザの追加制御用ポテンションメータを含むフル機能の開発キット「EFM32WG-DK3850」は349ドル。どちらの開発キットも、SEGGER J-LinkデバッガとSimplicity Studio開発ツールによってサポートされる、アドバンストエネルギーモニタ、リアルタイム電力プロファイリングが可能となっている。