フランス・パリにて7月4日から7日にかけて開催された欧州最大のジャパンカルチャーイベント「第14回ジャパンエキスポ2013」。来場者数は昨年の21万人を上回る約23万人。日本企業の出展も昨年の約3倍である33社、協力会社70社と大きな伸びとなった。

その中でも、行列のできていた人気の日本企業ブースをチェックしてみた。

富士フイルム「チェキ」

デジカメ時代に日本国内でもヒットしている富士フイルムのインスタントカメラ「チェキ」シリーズ。今回は個性的な5人の原宿系モデルをパッケージに起用した「instax mini 8」を中心に販売された。

ブース内では「チェキ」の楽しさを体感してもらうための無料撮影会も開催。コスプレイヤーだでなく、家族連れやカップルなどの行列が絶えず、5,500枚を超える撮影を行った。

撮影したチェキをカラフルなペンでデコレーションするコーナーには日本の女子高校生のように、友達同士で楽しそうに「デコる」姿は日仏共通だった。デジカメしか知らない世代にとってインスタントフィルムカメラは逆に「新しい」。「予想以上の売上を達成し、大変満足している」と富士フイルム担当者も手応えを感じていた。

インテル「まどか☆マギカUltrabook」

フランスでも人気急上昇中の『魔法少女まどか☆マギカ』。同会場内で開催された「アニプレックス・カンファレンス」内で『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』の特報が上映され、パリのGRAND REXにて11月16日より本作が公開となることを発表。会場に埋め尽くした3,000人のファンから大きな歓声が上がった。

その中でインテル日本法人のブースで展示されていた「まどか☆マギカUltrabook」には来場者も興味津々。発売されたのは合計3モデル。日本国内を中心に800台の数量限定で販売を行っており、1モデルは既に完売。残る2モデルも売れ行きが好調のようだ。天板のキャラクターデザインだけでなく、起動時やマウス操作音も実際の声優の声で40種類以上を収録。アイコン、壁紙、スクリーンセーバーもかなりのこだわりが見られる。

海外ではフランスが一番早いお披露目となったが、ブースでは「今、ここで買えるのか?」「これは欲しい! 日本語でも良いので購入サイトを教えてほしい」などの声が多数あがった。

この商品開発を担当したインテル日本法人の女性担当者は「まどか☆マギカ」の大ファン。自前のコスプレ衣装で来場者との撮影会に臨み、行列が出来た。

「どうしても欲しいと心の奥底に訴える新たな価値をアピールできるパソコンが必要。日本好きのフランス人が集まるジャパンエキスポは大きなPRの機会」と担当者は語る。今回のジャパンエキスポをきっかけに、冷え込んだパソコン市場を復活させるべく、日本の他メーカーも日本の強みを活かしたコラボ商品を「チームジャパン」として開発し、世界をあっと言わせてほしい。

コージー本舗「Dolly Wink」

販売累計800万個を突破する人気のつけまつげ「Dolly Wink (ドーリーウインク)」の体験ブースは1時間待ちになる大行列も。4日間で800名を超える来場者につけまつげを試してもらった。日本のように繊細なつけまつげのテクニックを持たないフランスの女の子たちはハイレベルな体験に感動。

「Dolly Wink」をプロデュースしている益若つばさも来場し「アイメイクショー」を実施。約1,200人に日本で人気の"ナチュラルたれ目メイク"を伝授した。ブースに訪れた益若つばさと記念撮影を行ったフランス人の女の子の中には、感激のあまり、泣き出す人もいたほど。

益若つばさは「フランスの女の子達は、可愛すぎて見てるだけでワクワクする。つけまつげも似合い、とてもノリも良い。来年もジャパンエキスポに参加してもっとつけまつげを広めたい」と来年の参加にも意欲を見せた。

ジャパンエキスポも来年15周年。日本文化イベントがここまで長続きし、23万人を集客する規模に発展していることは事実であり、この舞台をビジネスチャンスとして活かすかどうかは日本次第だ。アベノミクスの一つとして掲げる「クールジャパン戦略」。今回のジャパンエキスポをはじめ、「オールジャパン」として海外展開していくために更なる国と民間企業との連携強化が必要である。