こんにちは。フィスコリサーチレポーターの三井智映子です。

今日は『株主総会』について書きたいと思います。

株主総会とは?

株式会社の意思決定機関です。議決権を有する株主達によって構成されています。株式を購入し株主になると、株主総会に出席することができます。株式を保有している方は案内が届くはず。

企業の経営陣に実際に話を聞く機会でもある株主総会には、決算期ごとに決まって招集される定時総会と、合併や会社分割などの決定事項が発生する際に随時招集される臨時総会とに分けられます。皆さんが一般的に新聞やニュースで見聞きする株主総会は、定時株主総会なんです。定款変更や解散、合併、取締役・監査役の選任・解任など、企業にとって大切なことを決める場でもあります。株主総会の決議は原則として多数決をもって行われ、議決権は会場に直接赴かなくても行使することが可能です。

具体的には、議決権行使書に必要事項を記入して郵送するんですが、郵送手続きを行わず株主総会にも参加しないと、その分の議決権は賛成票として扱われることになりますのでご注意を。

とはいえ、「本議案に賛成の方、拍手をお願いします」と議長が問いかけ、大きな拍手を採決代わりに議案を可決する「シャンシャン総会」と呼ばれる議事進行方法も良く見受けられます。2002年4月の商法改正によって、インターネットでも議決権の行使が可能になったので参加しやすくなったといえるのではないでしょうか。3月期決算企業の株主総会は、6月中旬から下旬にピークを迎えます。

決算日を基準日に定め、有効期限が3カ月以内と定められていることから3月決算の多い日本では、6月後半までに定時株主総会を開催する必要がある場合が多いわけです。特に多い日を集中日と呼びます。集中日は6月最終営業日の前営業日が一般的で、今年の集中日、6月27日は全国で1,056社(昨年比5社増)が一斉に開催したようです。

フィスコ リサーチレポーターの三井智映子さん

株主総会の歴史

20年ほど前、一般株主は企業の経営にノータッチで、株主総会は総会屋が仕切っていました。総会屋って聞いたことありませんか? 総会屋は株主の持つ権利の行使を濫用し、会社から不当に金品をもらったり要求する人のことです。特殊株主、プロ株主ともいいます。英訳すると「racketeer=違法事業者」と訳されがち、ということからもわかりますよね。閉じられた株主総会だったのです。

しかし昭和56年の改正商法施行により総会屋への利益供与が禁止されたことで、経営健全化して総会屋と離れたい企業と、生き残るために離れまいと巧妙化する総会屋の狭間で株主総会が混乱することもありました。その後、平成9年商法改正で罰則などが厳しくなったことで総会屋は激減し、一般株主が株主総会に多く参加するようになりました。そして株主総会の内容も経営者の説明責任や審議の明瞭化が進み、開かれた株主総会になっていったわけです。今年は株価の上昇を背景に、いわゆる「物言う株主」が増加、経営体制や事業に踏み込んだ質問や素人離れした質問も増え、企業価値の向上に向けた戦略を提案するなど個人投資家の意識の高まりが目立ったようです。

また企業側もナレーションや映像を用いる、懇親会を開く、お土産を用意するなど投資家にわかりやすい株主総会、参加しやすい株主総会を目指している企業や、株主の意見を経営にフィードバックするよう努める企業も増えているようです。

執筆者プロフィール : フィスコ リサーチレポーター 三井 智映子

共立女子中学校・高校を経て、早稲田大学政治経済学部へ。2001年から芸能活動を開始し、現在テレビ、CM、舞台などに出演。また、いち消費者とアナリストの中間的な存在であるフィスコのリサーチレポーターとしても、株式やFXの現場を取材レポートしています。