今買う? それとも?

人生には、大きな買物をしたいときがありますね。代表的なものとして住宅や車が挙げられます。ほしいものがあるときは自分でコツコツとお金を貯めるのが基本ですが、まとまったお金を借りて、買った後にコツコツ返していくローンを利用する方法も。銀行のローンについて紹介します。

利子という手数料を払って時間を買うローン

月々の給料では買えないような大きな買物をしたいとき、貯金を下ろしても足りないとき、どうしますか? お金を借りる方法があります。個人がまとまったお金を借りる先として代表的なのが銀行です。

普通預金や定期預金など銀行にお金を預けると利子がつきます。一方、銀行からお金を借りるときは逆に利子を払います。まとまったお金を借りた場合、一度に返済するのはなかなか大変なので、毎月、元本と利子をコツコツ返していく方法をとるのが一般的。銀行では、お金を借りる人の目的別に、住宅ローン、カーローン、教育ローンなどを扱っています。

ローンの金利は経済の動向により変動しますが、同じ時期なら預金よりも借入(ローン)の金利の方が高いのが普通です。

お金を預けたら利子を受け取ることができるのに、借りたときには利子を払う上に金利は高いのですから、不必要な借入はしないのが鉄則。しかし、利子を払うことによって手に入るのが時間です。ほしいものが手に入るだけの金額を自分でコツコツ貯めようとすると時間がかかりますが、ローンを利用することで貯まる前に手に入れることができます。住宅ローンなら住宅を、カーローンなら車を使う時間を前倒しできるわけですね。

コツコツ貯めたお金を頭金にして残りをローンでまかなうというのは住宅を買う際には一般的な方法。しっかり預金しながら、ローンについても知っておきたいものです。

ローンは借りる目的により金利が違う

金利が高いと、その分返済額が増えるので、ローンの金利は低いに越したことはありません。銀行ではいろいろな種類のローンを扱っていますが、目的が決まっているローンの金利の方が、使い道自由のローンよりも金利が低く設定されています。理由のひとつに、住宅を買うため、車を買うためなど、目的がはっきりしている方が借りたお金を何に使うかわからないよりも安心できるという点があげられます。ローンを検討する際は比較してみてください。

比較的、金利が低いのは、住宅ローン、カーローン、教育ローン。人生で最初のローンはカーローンだったという方は、けっこういらっしゃるようです。カーローンについて、もう少し詳しくみてみましょう。

(後編に続く)

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<著者プロフィール>

ファイナンシャルプランナー 坂本綾子

20年を超える取材記者としての経験を生かして、生活者向けの金融・経済記事の執筆、家計相談、セミナー講師を行っている。著書『お金の教科書』全7巻(学研教育出版)、セミナー『子育て力のあるお金の貯め方、使い方』『小さな消費者へのお金の教育』など。