人事院は27日、今年4月に総合職試験などから採用された新人職員を対象に実施したアンケート調査の結果を発表した。同調査は、総合職試験、国家公務員採用I種試験などに合格し、2013年4月3日~5日に開催された第47回国家公務員合同初任研修の参加者を対象に行われ、531人(うち女性140人)から有効回答を得た。

まず、国家公務員になろうとした主な理由を聞いたところ、「仕事にやりがいがある」が74.0%、「公共のために仕事ができる」が70.2%と、これら2つが7割以上の数字を獲得。次いで、「スケールの大きい仕事ができる」が44.1%、「専門知識が生かせる」が29.4%、「性格・能力が適している」が27.1%となった。

国家公務員に対する厳しい批判が続いているが、これらは採用に至る意思決定にどのような影響を与えたかと聞くと、59.0%が「まったく影響がなかった」、17.5%が「むしろやる気が増した・挑戦したくなった」と回答。一方、「若干迷う一因となった」は20.5%、「かなり迷った」は2.6%だった。

国家公務員に対する厳しい批判が続いていますが、これらは採用に至る意思決定にどのような影響を与えましたか(出典:人事院Webサイト)

「まったく影響がなかった」と「むしろやる気が増した・挑戦したくなった」と答えた人にその理由を問うと、最も多かったのは「国家のために働こうという意思が強かったから」で47.8%。以下、「批判は必ずしも当たっていないと思ったから」が35.5%、「自分が公務を変革したいと考えたから」が7.9%、「公務員になるために努力してきたから」が2.5%と続いた。また、自由回答では「やりたい仕事、業務内容だったから」との意見が多く寄せられた。

将来どこまで昇進したいと思うかと質問したところ、「事務次官級」が16.8%、「本府省の局長級」が16.0%、「本府省の課長級」が8.3%。一方、「分からない」は47.6%に上った。

採用試験で入口選抜を行い、総合職(I種)試験の合格者を管理・幹部職まで昇進させることについては、「総合職(I種)試験合格者の中で選抜を行って昇進に差を付けるとともに、総合職(I種)以外の優秀者も管理・幹部職まで昇進させるべき」が50.3%で最多。以下、「採用試験の種類に関係なく選抜を行い、昇進に差を付けるべき」が17.7%、「分からない」が16.2%、「総合職(I種)試験合格者の中では昇進に特に差を付けず、管理・幹部職まで昇進させるべき」が14.1%と続いた。

国際的な業務についての考え方を尋ねると、「積極的に希望する」が57.6%、「機会があれば携わってもよい」が37.1%となり、合わせて94.7%が国際的業務の従事に意欲を示していた。

このほか、語学能力検定試験の受験者数を調べたところ、TOEIC受験者数は386人(72.7%)、TOEFL受験者数は106人(20.0%)、英検受験者数は193人(36.3%)となった。