原美術館は、人物写真の大家による"人のいないポートレイト"を中心としたシリーズを初公開する「坂田栄一郎―江ノ島」を開催する。開催期間は7月13日~9月29日(祝日を除く月曜と7月16日、9月17日、9月24日は休館)、開場時間は11:00~17:00(水曜は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)。入場料は一般1,000円、大高生700円、小中生500円(学期中の土曜は小中高生無料)。

「江ノ島」1999年 (C)Eiichiro SAKATA

「江ノ島」1998年 (C)Eiichiro SAKATA

同展では、人物写真の大家として知られる坂田栄一郎が、16年にわたって真夏の江ノ島で撮りためてきた"人のいないポートレイト"を中心としたシリーズ「江ノ島」を初めて発表する。今回展示される多くの写真に写し出されているのは、真夏の焼けた砂、広げられたカラフルなレジャーシート、無造作に置かれたタオルやサンダル、ポーチ、あるいは飲みかけのドリンクや弁当殻、タバコなど、海で遊ぶ若者たちが砂浜に残したもの。これらを8×10インチや4×5インチといった大型フィルムで捉え、物が持ち主たちの生命・生活を語る、いわば"人のいないポートレイト"を作り出した。展示作品の数はカラー写真約40点で、そのうちポートレイトは10点となる予定だ。

なお、坂田栄一郎は1941年東京都生まれの写真家。日本大学芸術学部写真学科卒業後、広告制作会社ライトパブリシテイに勤務し、1966年に渡米。ニューヨークで写真家のリチャード アヴェドンに師事。週刊誌「AERA」(朝日新聞社)の表紙ポートレイトを1988年の創刊号から現在まで撮り続けている。