SNSで"充実した生活"をアピールする背景とは……?

Facebookやmixiなどをみていると、ほとんど「今日は△△で○○を食べました」というような記事で埋め尽くされている女の子、いますよね。そういう子は、誕生日会などのパーティーやバーベキューなどのイベント系記事も多かったりしませんか。

なぜか、最近やたらと目につく、SNSで充実した生活をアピールする女性たち。なぜ彼女たちが、そういった行動をとってしまうのか。その背景にある心理を、人間の行動や心理に詳しい大学教員の平松隆円さんに、解説していただきます。

* * * * *

もちろん、投稿されている記事が嘘だとは限りません。ですが、時には投稿するために無理をして、ネタ作りをしているのではないかとさえ感じる記事に遭遇することがあります。いってみれば、自分を過剰に演出しているわけです。

人は程度に差はあれ、他人が自分をどう見ているかについて関心があるものです。そのため、自分の印象を好ましく見せようと印象を管理するために、ファッションやヘアメイクに気を配っています。

演出は「自己愛性パーソナリティ」からくるもの!?

ですが、 SNSで充実した生活をアピールする女性たちは、印象管理という言葉では説明できないほどに自分を演出しようとしている感じがします。いってみれば、ナルシストなのかも知れませんが、ただ自分好きというだけではなく、誇張してでも自分に注目を集めたいという心理があるように感じます。心理学的には「自己愛性パーソナリティ」という言葉があるのですが、それに関する問題に近いものを感じます。

自己愛性パーソナリティとは、自分を過剰なまでに特別な存在だと思ってしまうこと。たとえば、食事の記事にしても、高級なお店やシェフと一緒に撮った写真を投稿する。これは、自分が特別な存在だという主張につながっています。そしてもちろん、羨ましがられたいという賞賛欲求の強さのあらわれでもあるわけです。

ほかにも、「○○ちゃんと一緒に……」というような記事は、誰かの名前をだすことで相手を利用して自分の価値を高めようということにつながっています。そもそも、一連の誇張された投稿をしてしまう行動自体が、自分がいかに理想的な人物なのかという主張なわけです。

彼女たちに悪気はない

こうして考えてみると、SNSで充実した生活をアピールする女性というのは、周囲につまらない人間だと思われたくないからや、"リア充"の友人に負けたくないから、過剰な投稿をしているのではないと思います。

むしろ、現実以上に自分自身を誇張して考えているからこそ、無意識のうちに、そして当然のように仕事やプライベートでの自分の存在をアピールしてしまっているのではないでしょうか。ある意味、彼女たちには悪気はないのです。

著者プロフィール

平松隆円
化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。国際日本文化研究センター講師や京都大学中核機関研究員などを経て、現在はタイ国立チュラロンコーン大学講師。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。よそおいに関する研究で日本文化を解き明かしている。NTV『所さんの目がテン! 』、CX『めざましどようび』、NHK『極める 中越典子の京美人学』など番組出演も多数。主著『化粧にみる日本文化』(水曜社)は関西大学入試問題に採用されるなど、研究者以外にも反響を呼んだ。ほかに『黒髪と美女の日本史』(水曜社)など。