ExtremeTechの記事「Scientists create nanoscopic data storage using graphene ‘paper’ and electron ‘ink’」が、科学者らがグラフェンに対して2~3ナノメートルサイズの文字の書き込みに成功したことを伝えている。今すぐに製品化に結びつくような研究ではないが、将来的にナノスケールレベルでデータを実現する新しいデータストレージ開発に結びつく可能性がある。

グラフェンは炭素原子が6角型の格子状態で構築された1種類の原子のみで構成されたシート。グラフェンは極めて軽く薄い上、丈夫で、硬度があるにも関わらず柔らかい。さらに電荷移動度が極めて高いという特殊な特性を持っており、さまざまな応用が可能であることから研究対象の素材として積極的に研究が進められている。

Scientists create nanoscopic data storage using graphene ‘paper’ and electron ‘ink’」はそうしたグラフェンに関する研究のひとつを紹介するというもの。グラフェンの一部をきわめて小さく破壊すると破壊された部分がほかの部分とは違う構造に変化するという特性を利用して、そこにデータを「書き込んだ」かのように見せている。

説明によれば、300キロエレクトロンボルトのエネルギー(ビーム)でグラフェンに穴を開けたという。グラフェンに穴を開ける作業には走査透過型電子顕微鏡(STEM)が使われている。STEMが放つビームのサイズは1ナノメートル程度とされている。

ExtremeTech - Scientists create nanoscopic data storage using graphene ‘paper’ and electron ‘ink’ より抜粋

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