政府は21日、2013年版「男女共同参画白書」を閣議決定した。それによると、日本の民間企業などで管理職に就いている女性の割合は11.1%にとどまっていることがわかった。

白書では、政府が成長戦略の中核に位置付けている「女性の活躍」を約50ページにわたって特集。この中で、日本を含む12カ国における女性管理職の割合を比較したところ、フィリピンが52.7%(就業者における女性の割合39.2%)で最も高く、次いで、米国が43.0%(同47.2%)、フランスが38.7%(同47.5%)、オーストラリアが36.7%(同45.3%)、イギリスが35.7%(同46.5%)となった。一方、日本は11.1%(同42.3%)にとどまり、欧米やほかのアジア諸国(マレーシア25.0%、シンガポール34.3%)を大幅に下回った。

女性管理職が少ない(1割未満)、あるいは全くいない管理職区分が1つでもある企業(常用労働者10人以上)は78.7%。このうち48.9%の企業は、女性管理職が少ない、または全くいない理由として、「現時点では、必要な知識や経験、判断力などを有する女性がいない」ことを挙げていた。

年齢階級別雇用者数の対人口割合と役職者人数(男女別、2012年)

また、従業員100人以上の企業における雇用者数の対人口割合を見ると、女性は20歳代後半を頂点とする山形となっており、雇用者数割合の低下が始まる年齢階級(30~34歳)が、昇進の増え始める時期に重なっていることがわかった。

ライフイベントによる女性の就業形態の変化を見たところ、結婚前に仕事(農林漁業除く)に就いていた女性のうち、正規雇用は64.2%だったが、結婚後には46.3%に減少していた。さらに、就業女性のうち27.7%が結婚後に離職していた。

白書は、女性の活躍促進や、仕事と子育ての両立支援に取り組む企業を政策的に後押ししていくとともに、企業における役員ならびに管理職への女性の登用に向けた働きかけや、登用状況の開示促進などに取り組む必要があると指摘している。

このほか白書では、家事活動の市場化についても紹介。家事や育児、介護・看護など無償で行われている家事活動を評価すると、機会費用法では年間で約138兆5,000億円(2011年時点)に上ることがわかった。この金額は名目GDPの29.4%に相当する。

男女別に見ると、いずれの推計方法でも女性が家事活動全体の8割以上を占めていることが判明。内訳については、女性は、家事が77兆5,000億円、買い物が17兆1,000億円、育児が11兆7,000億円、介護が2兆4,000億円、社会活動が2兆円。男性は、家事が11兆1,000億円、買い物が10兆円、育児が3兆1,000億円、社会活動が2兆5,000億円、介護が1兆円となった。