東大、皮肉や冗談を理解するための脳神経ネットワークの解明に成功

東京大学(東大)は、皮肉や冗談を理解するための脳神経ネットワークの仕組みを解明したと発表した。

同成果は同大大学院医学系研究科精神医学の山末英典 准教授、同研究科統合生理の渡部喬光 特任助教らによるもの。詳細はOxford Journalsの「Social Cognitive and Affective Neuroscience」に掲載された。

日常の中で交わされる皮肉や冗談を理解するためには、非言語情報(表情や声色など)と言語情報(言葉の内容など)の食い違いを素早く処理し、相手の意図を的確に推測する必要がある。

今回、研究グループは、そうした言語・非言語情報のスムースな処理が、2つ下位モジュール(モジュールは複数の脳領域から成る機能的集合体のこと)を持つ階層的な神経ネットワークによって実現されていることを発見した。

具体的には、主に非言語情報を活用して他者の友好性を判断する場合には、後方部の背内側前頭前野をハブとする下位モジュールが活発化し、主に言語情報を活用する場合には右半球の腹側の後部下前頭回をハブとする異なる下位モジュールが活発化することが確認された。

また、2つの下位モジュールは前方部の背内側前頭前野によって橋渡しされ、背内側前頭前野が活性化後、どちらかのモジュールのハブ領域が活発になることも確認されたという。

これらの結果について研究グループは、前方部の背内側前頭前野が非言語情報用モジュールと言語情報用モジュールのどちらかを選択的に動員し、非言語情報と言語情報が食い違う際の複雑な他者判断を瞬時に効率よく成立させていることを示唆するものと説明している。

階層的神経モジュール。言語処理用モジュールと非言語処理用モジュールがあり、それらを共通モジュールの1つである前背側内側前頭前野がコントロールしている (c)Takamitsu Watanabe

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