きらめく海に囲まれた長崎の離島では、シーカヤックなども楽しめる(対馬)

対馬や壱岐(いき)、五島列島など、県内に複数の離島を抱える長崎県。そんな長崎県での“島遊び”を、もっとお得に楽しめるプレミアム付き商品券「しまとく通貨」が、2013年4月から3年間限定で展開されている。

1回の旅で最大6,000円もお得に

1セット(6,000円分)が5,000円で購入できる

「しまとく通貨」は、長崎県内の五島、壱岐、対馬、小値賀(おぢか)、宇久(うく)の各島共通で使用できる「20%のプレミアム付き商品券」。広域的な地域通貨としては、国内初の試みとなる。1セット6,000円分の商品券を5,000円で発売し、1人1往復の旅行で6セットまで購入可能。通貨は購入日より6カ月間使えるため、次回訪れた時にまた使用することもできる(島の住人は購入できない)。

現在、長崎港・佐世保港・博多港などのターミナルや、長崎空港・福岡空港など九州内の41カ所に販売窓口が設けられており、それぞれの島の加盟店で使用できる。加盟店の数は現在約1,000店舗まで増えており、宿泊、飲食、お土産、レンタカー、ツアー、スーパー、ガソリンスタンドなど、あらゆる商品・サービスに対応している。

「しまとく通貨」でできる“島遊び”とは?

実際、各島ではどんな“島遊び”ができるのか? まず、神道発祥の地・月讀(つきよみ)神社を抱える「神々の島」壱岐では、ちょっとミステリアスなパワースポットめぐりを楽しむのもいい。海に出現する参道を有する小島神社や、700年の伝統を持ち国の重要無形民俗文化財にも指定されている「壱岐大大神楽」を楽しむのも一興だ。

小島神社の参道は、潮が引くと浮き上がってくる(壱岐)

江上天主堂と旧五輪教会堂などで平成27年度に世界遺産登録を目指している五島は、21の教会のみならず、島のいたるところで自生しているヤブ椿も味わいのひとつ。また、「しまとく通貨」の楽しみ方として、「いけす割烹 心誠」では、五島近海でとれる新鮮な魚介類を使った「しまとく通貨特選弁当」を展開。さざえのつぼ焼きやきびなごの天婦羅、釜飯などのセットを3,000円で提供している。

平成27年度の世界遺産登録を目指している旧五輪教会(五島)

新上五島(しんかみごとう)には手延べの「五島うどん」を製造する35のうどん製麺業者があり、業者によって異なる麺の細さや香りを楽しむこともできる。また、平家ゆかりの地でもある宇久では、江戸時代から捕鯨が盛んであったこともあり、現在でも島では鯨カレーや鯨カツなどが味わえる。

「五島うどん」のオススメの食べ方は地獄炊き(新上五島)

「上対馬とんちゃん」は対馬やまねこ空港でも食べられる(対馬)

平成18年度から農林漁業体験民宿を展開している小値賀では、田舎に帰省する感覚で島ステイが体験でき、島の“父ちゃん・母ちゃん”たちのぬくもりにも触れられる。そして対馬では、2012年にB-1グランプリでシルバーグランプリに選ばれた「上対馬とんちゃん」や、エメラルドグリーンの海でシーカヤックに興じるのもオススメだ。

これらの施設や体験、グルメ、宿泊のほかにも、「しまとく通貨」を使って楽しめるスポットは数多くあるので、自分好みの旅をお得に楽しんでいただきたい。

「しまとく通貨」付き旅行パックも

個人旅行者への「しまとく通貨」はセット販売のみだが、旅行会社と協力して「しまとく通貨」付き旅行ツアーも展開している。今後は楽天トラベルやるるぶ、じゃらんなどとの展開も目指し、「しまとく通貨」の展開ツールを増やしていく予定だという。

「しまとく通貨」運営団体であるしま共通地域通貨発行委員会の内田正二郎事務局長は、「年間60万セット、月5万セットの販売を目指しているが、4・5月の累計で約3万5,000セットという状況。当初の見込みに比べ出足は鈍く、アピール不足はぬぐえないが、離島振興の切り札として活用し、観光客を呼び込んでいきたい」と語っている。