現代建築科学と風水

以前、ある団体のオフィス環境に関する研修で、「風水から見るオフィスの環境整備」という講座を担当させていただいたのですが、その時のわたくしの前のコマが、建築家の先生による講義でした。

建築家の視点でオフィスを考えるという内容だったのですが、実に素晴らしいプレゼンで、非常に勉強になりました。

というのも、そこで語られていた建築学的、科学的な切り口のオフィス論が、ことごとく「風水オフィスの考え方」に合致するものだったからです。

これほど見事に同じ考え方だったのかと驚きましたし、これを機に風水をさらに多くの方に知っていただきたいと心から思いました。

さて、その内容ですが、建築家の先生は快適なオフィス作りのポイントを、4つに分けて説明されました。

  1. 「環境」の要素…自然を取り入れる(方位、光と風、熱の有効活用)

  2. 「人」の要素…ゾーニングを意識したレイアウト(視線、音、距離感を意識)

  3. 「空間」の要素…人工的な環境構築(色、照明、空調のコントロール)

  4. 「もの」の要素…オフィス家具、収納の検討

実はこのどれもが、わたくしたちが風水でオフィスを設計する際に、鑑定と照らし合わせてお客様にアドバイスする事柄なのです。

オフィス整備の重要性

そもそもオフィスのための風水は、中国の伝統的な風水学から派生して、現代のオフィスに適合するように情報を付加されてきたものです。

繰り返し申し上げてきましたように、一種の環境学なのです。

ですから、こうした現代的なオフィスの考え方にも通じるのは当然といえば当然なのですが、統計的に正しいものとして古代から伝わってきた居住空間に関する知恵が、現代の科学に裏付けられたことを確信できた瞬間でした。

なんといっても現代の日本人は、自宅にいる時間よりもオフィスで過ごす時間のほうが長いという人も多い働き者(働き過ぎとも言えますが)の民族。

その環境が快適なら仕事の効率、質ともに上がりますし、精神的にも充足しますから、ストレスとは無縁の毎日を送ることができるわけですね。

そんな観点からも、仕事環境を整備することは、本来なら、ビジネス上の優先順位ではまず最上位にこなければならない事項だと思うのです。

今後、引越しや、レイアウト換えの機会がありましたら、考えてみてはいかがでしょうか?

<著者プロフィール>

高木芳紀(たかぎよしのり)

風水オフィスアドバイザー。1971年名古屋生まれ。金沢大学卒業後、商社に就職。繊維、IT、放送関連機器の部署にて営業職を経験後、同社にいた先輩の家業であるアスクル代理店の「株式会社つばめや」に転職。新規事業企画担当兼ウェブマスターとして、主にインターネットを活用したオフィスサプライ通販の独自路線を開拓中。その中でオフィスの効果的なレイアウト手法のひとつとして風水と出会い、「風水オフィスドットコム」を立ち上げる。新たなる癒しの時代、創造の時代のキーワードとして、企業のオフィス作りを支援し続けている。自らに課したテーマは「仕事とオフィスの最適化!」