広島県、広島県立美術館、中国新聞社、中国放送は、オランダ・アムステルダムの「ゴッホ美術館」の研究チーム監修のもと「ゴッホ展」を開催する。開催期間は7月22日~9月23日まで、開場時間は9:00~17:00(金曜は20:00まで、入場は閉場30分前まで、7月22日は10:00開館)。会場は広島市中区の広島県立美術館。入場料は一般1,400円、高・大学生1,000円、中学生以下は無料。

《グレーのフェルト帽の自画像》1887年 Vincent van Gogh(1853-1890), Self-portrait with grey felt hat, 1887-09 Paris, oil on cotton, 44.5×37.2cm Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)

《サン・ピエール広場を散歩する恋人たち》1887年 Vincent van Gogh(1853-1890), Garden with courting couples: square Saint-Pierre, 1887-05 Paris, oil on canvas, 75×112.7cm Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)

同展は、「ピース・アーチ・ひろしま」プロジェクトの一環として開催され、1885年末~1888年初期、パリに滞在していた時期のファン・ゴッホの芸術を2部構成で紹介する。ゴッホの作品を最も多く保有している「ゴッホ美術館」が改修工事に伴い閉館することにより、数多くの日本未公開作品の展示を実現。この展覧会で展示される全52作品のうち、36作品が日本初公開となる。また、ゴッホが描いた自画像のうち、8点が日本でそろって展示されるのも初めてのことだ。

また、展覧会の開催に合わせ、ファン・ゴッホ美術館主任研究員で同展の監修者でもあるルイ・ファン・ティルボルフ氏らを招いた「ゴッホ展開催記念 国際シンポジウム」や、ゴッホの作品を所蔵する広島県内の他館と連動した美術講座「ファン・ゴッホ IN ひろしま」などを開催する。それに加え、7月26日 17:00~19:30には、「ゴッホ展」の魅力をTwitterやFacebook、ブログ、Webサイトなどで伝えることを条件に、一般参加者が無料で同展を鑑賞することができる催しも展開する。各イベントの詳細は広島県立美術館のWebページを参照してほしい。

なお、同展で特集されている1885年末~1888年初期、33歳を迎えたばかりのゴッホはパリで弟のテオと同居していた。今日のゴッホ研究はテオとの書簡をもとに検証されており、この時期は彼らが同居していたために書簡が存在せず、当時の生活をうかがい知ることができなかった。ゴッホ美術館の研究チームは7年にわたりゴッホの実像を追う研究の末、その答えを空白のパリ時代の作品に見いだしたということだ。この時期にゴッホの作風は大きく変化しており、その理由として、ジョン・ラッセル、ベルナール、ゴーギャン、ロートレックらとの出会いや、印象派や日本の浮世絵からの影響があったと見られている。