PFUは31日、ドキュメントスキャナ「ScanSnap iX500」に機能を追加するアップデートプログラムの無償提供を開始した。WindowsおよびMac OS Xを搭載したPCとのWi-Fi(無線LAN)接続が可能となる。

5月31日以降、PCにインストールされた「ScanSnapオンラインアップデート」によって、自動的にアップデートが通知されるので、画面の指示に従ってアップデートを行う。また、ScanSnapのWebサイトからアップデートプログラムをダウンロード/インストールすることで、手動で更新することも可能。

ScanSnap iX500

ScanSnap iX500は、1パス自動両面読み取りに対応したA4ドキュメントスキャナ。キャリアシートを使うことでA3サイズの原稿もスキャンできる。イメージセンサーは光学600dpiのCIS×2基、ADFの容量は50枚。

標準でWi-Fi機能を搭載していたが、Wi-Fi接続をサポートしていたのはAndroid/iOS搭載のスマートフォンやタブレットのみで、PCとはUSB接続していた。今回のアップデートによって、PC(Windows/Mac OS X)でもWi-Fi接続が可能となる。Wi-Fiルータを介した接続が必要で、ScanSnap iX500とPCをダイレクトにWi-Fi接続するものではない。

PCとのWi-Fi接続は、ScanSnap iX500本体のファームウェアと、ドライバ/ユーティリティ「ScanSnap Manager」のアップデートで実現。USB接続と同様に、すべての機能を利用できる。スキャンスピードや操作のレスポンスも、USB接続と変わらない。Android/iOS端末とのWi-Fi接続には専用アプリ「ScanSnap Connect Application」を使うが、PC向け同アプリの提供も引き続き検討していくとのこと。

ただし、PCとWi-Fi接続する前に一度だけ、USB接続した状態でPCとScanSnap iX500を関連付ける操作が必要となり(いわゆる1対1のペアリング)、ScanSnap iX500とWi-Fi接続できるPCは1台のみ。例えば、1台目のPCと関連付けた状態で、2台目のPCをペアリングすると、Wi-Fi接続で使えるのは2台目のPCとなる(1台目のPCはWi-Fi接続できなくなる)。

こうした仕様は、PFUのセキュリティポリシーによるもの。ScanSnap iX500をWi-Fi環境で共有し、複数デバイスからのスキャン操作は技術的には可能とのことだが、オフィス利用にも配慮したのだろう。仮に、認証やセキュリティの仕組みなしでScanSnap iX500を共有したとすると、1人のユーザーがScanSnap iX500にセットした原稿を、第三者が自分の端末へスキャンできてしまう。

なお、PCとScanSnap iX500をWi-Fi接続していても、Android/iOS端末の「ScanSnap Connect Application」からScanSnap iX500を使ってWi-Fi接続によるスキャン操作が可能。この場合はAndroid/iOS端末が優先され、PCとScanSnap iX500のWi-Fi接続は一時的に切断される。