大日本印刷(以下、DNP)は5月30日、両面接着加工を施し、ページとページの間に貼り込むことで利用者による取り外しを防止する細型の書籍管理用UHF帯ICタグラベルを開発したと発表した。本製品は、大学や地方自治体の図書館向けに6月20日に発売する。

図書館向け「書籍管理用UHF帯ICタグラベル」

図書館は、所蔵品管理の効率化や不正持出防止を目的として、ICタグによる書籍管理システムの導入を進めているが、従来の書籍管理用ICタグはクレジットカードのような形状であり、一部の利用者がICタグを取り外して、書籍を持ち去ってしまうという問題がある。

これを解決すべくDNPは、長さ100mm・幅5mmと細長く、両面接着が可能で、書籍のページの間に貼付すると目につかなくなるICタグラベルを開発。4.950MHz帯だけでなく、920MHz帯の周波数にも対応している。

製品の特長は、書籍のページ間の奥にICタグを貼り込むため、書籍の内容を隠さない点。ICタグラベルの片面のカバー紙をはがし、書籍のページ間に奥まで押し込んで一方のページに貼った後、反対面の台紙をはがして、もう一方のページに貼れば完了する。DNPはこのICタグラベル及び貼付方法に関する特許を取得している。

ICタグラベル及び貼付方法

また、約8mの通信距離性能を保持し、数冊の本を重ねた状態でも読みとることができるため、図書館業務だけでなく、店舗におけるゲート通過時の不正持出検知やモバイル型リーダーライターを利用した棚卸業務などにも利用できる。

参考価格は、10万枚ロットで1枚30円。

DNPは、グループ会社である丸善や図書館流通センターと連携して、本製品を図書館などに販売し、今後3年間で5億円の売上を目指す。