ペット可物件といっても、実はいろいろ。事情があって借り手がつかないため、安い賃料の物件でもペット可にして借り手を増やそうとするところもあります。ペット可物件は、本当に高いのか、またペット可物件の注意点などを確認してみました。

■意外と高くない、ペット可物件

東京都市近郊ならペット可物件の割り増し家賃は、ワンルームでも1割~2割くらいと言われています。ペット可物件といっても、あながち高額という訳ではないようです。ただ家賃は安くても、敷金や礼金をそれぞれ1カ月分上乗せされるなど、初期費用にお金がかかる傾向はあるようです。

■ペット可物件の常識、敷金割り増し

ペット可物件には、通常の退去時にかかる原状回復費用の他に、ペット特有のニオイや汚れをとるクリーニング費用や脱臭費用がかかります。そのためちょっと敷金が割り増しで請求されるようです。

ただ、なぜか礼金も併せて割り増しされるなど不明確なお金を取られてしまうこともあります。更に賃料も上乗せされることがあり、「ペット可物件は何かとお金がかかる」とのイメージを持つ人が多いようです。

■ペット可とペットに対応した物件は違う

ペット可物件には、「ペットとの暮らしを楽しむ人向け」に間取りや室内設備をペット向けに整えてある物件と、通常の賃貸物件にペット可という条件がついただけの物件の両方があります。一般的に賃料が高いのはペット対応物件の方で、あとから条件を加えたペット可物件では賃料が安い傾向にあります。

ただし後者の場合には「ペット可」と書いてある物件なのに、廊下やエレベーターなど「共有部分は犬を歩かせちゃいけない」なんていうルールや、「ペット可」という条件で入居したのに、いつの間にか「ペット不可」物件に条件が変わっているなんてこともあります。賃料の安さだけに惑わされず、慎重な物件選びが必要です。

■部屋も広いし、防音もしっかりなので人間も暮らしやすい

一方で、ペットと暮らす人の生活を考えてつくられてある物件は賃料が高くても、ペットが遊べる室内設備や、集合住宅の玄関口にペット専用の足洗い場が設けられているなど、いろいろとペットや飼い主にうれしい特典も多いようです。

また意外と重宝するのが、部屋やベランダが広めに確保されていたり、防音設備がしっかりしていたりすること。ペットを飼っていると鳴き声で周囲に迷惑をかけないか心配も多いものですが、ペットに対応した物件なら防音の心配もなく、また鳴き声があっても「お互いさま」の気持ちが生まれやすいため安心できます。

■後づけでペット可にした物件は、トラブルも多い?

後で「ペット可」という条件を加えた物件の場合、賃料が安く生活費の心配は少なくなるものの、ペットの鳴き声、汚物のニオイ、共有部分でのマナーなど、とにかく気を使うことも多いようです。

後づけで「ペット可」にした物件に住む場合、飼い主へマナーを強く問われやすいこともあるため、しつけをきちんとすることや、ベランダで長時間放し飼いをしないことなど、必要最低限の周囲への配慮は大切です。