正しいテーブルマナーがわからないと、改まった席で困りますよね。他人の動きを見よう見まねでごまかしたことがある人も少なくないはず。そこで今回は、マナーや言葉遣いなどの指導を行っている「イメージコンサルティングサロン ユミ」代表・福島由美さんに、正しいテーブルマナーについてお話をうかがってきました。

入店から着席するまで、男女どちらが先に歩く?

──最近は日本でもレディーファーストが浸透してきましたが、レストランに入店してテーブルにつくまでの間も女性が先に歩くべきですか?

「はい。案内係がいるレストランであれば、女性が先、男性が後に歩くのが良いでしょう。

ただし、カジュアルなレストランの場合、席まで案内されず、『あちらへどうぞ』と言われることがありますよね。その際は、男性が先に歩き、女性をエスコートして、いすを引いてあげるのがベストです」

ナプキンはいつ広げたらいいの?

──ナプキンを広げるタイミングや使い方がよくわかりません……。

「オーダーが済んでから、食前酒や前菜が運ばれてくるまでの間が適当でしょう。ちなみにナプキンはひざの上に広げてください。首元から下げてはいけません。

また、『ナプキンを汚すと悪いから……』とティッシュを取り出して使う人がいますが、それもNG。ナプキンは汚れを拭くためにあるのです」

スープの正しい飲み方は?

──スープは、奥からすくうべきですか? 手前からすくうべきですか?

「イギリス式は手前から奥、フランス式は奥から手前ですから、飲みやすい方で良いでしょう。

なお、言わずもがなですが、飲むときはくれぐれも音を立てないで。熱いからといって『フーッフーッ』と冷ますのもNGです」

スパゲッティはスプーンを使って食べるべき?

──スパゲッティは、スプーンの上でフォークをクルクル巻いて食べるのが正しいのですか?

「アメリカではこのような食べ方をする人もいますが、本場イタリアではフォークの扱いに慣れていない子供だけ。大人はフォークのみで食べます。日本人もフォークだけで食べた方がスマートですね」

ライスの正しい食べ方って?

──一時期、洋食でライスが出されたら、フォークの背中に乗せて食べるというマナーが浸透していました。あれはやはり間違いなのですか?

「ナイフでライスをフォークの背に乗せて食べるのは、イギリス式のマナーですので、間違いではありません。また、フランス式ではフォークの腹に乗せて食べますから、どちらでも食べやすい方で召し上がってください。

ただし、フォークを左手から右手に持ち変えるのはスマートではないので、お勧めできません」

食べ終えた後のマナー

──食事が終わった後に気をつけるべきマナーを教えてください。

「まず、フォークとナイフの置き方について。

フォークは上向きで手前に、ナイフは刃を手前にして奥に、4時の向きにそろえておくと無難です。

ナプキンは、たたまずにテーブルの上に置きます。丁寧にたたむと『料理がまずかった』というサインになってしまうので、律儀な方はご注意を(笑)。

そして、お会計。テーブル会計の場合は、カードかお札を伝票と一緒にそっとお店の人に渡しましょう。レジ会計のときは、会計者以外はレストランの外で待つのがマナーです。

そして、ごちそうしてもらった場合は、感謝の言葉を忘れずに。これが一番大切ですね」

マナーばかりに気を取られ、会話や食事もままならないようでは本末転倒ですが、マナーがしっかり身に付いたら、あなたの男っぷり、女っぷりは一気にアップ! 是非参考にしてください!

イメージコンサルタント・福島由美
リクルートでの広告営業を経て、2008年「イメージコンサルティングサロン ユミ」をオープン。マナー、立ち居振る舞い、話し方などのトータルイメージアップ指導を行っている。新著に「やってるかもしれないけどやってはいけない日本人のマナー」(ブルーロータスパブリッシング)がある。

(OFFICE-SANGA 百田カンナ)