社会人になってから、いろいろな習い事にチャレンジする人が増えています。仕事に役立つもの、趣味に最適なもの、体を動かすものなど、そのバリエーションは非常に豊富。でも、こういった習い事を始めることで、何か実利が得られることはあるのでしょうか?

そこで、大人になってから習い事を始めた方々にお集まりいただき、習い事が役立つかどうか、エピソードをうかがってみました。

●お話をうかがった方たち
・Kさん(30歳・女性)/イベント企画会社勤務。ピアノを習い始めて約2年。
・Tさん(26歳・女性)/保険会社勤務。現在習っているのは、陶芸とプリザーブドフラワー。通信講座でのペン習字経験もあり。
・Mさん(33歳・男性)/メーカー勤務。マジックを習い始めて約1年。
・Nさん(42歳・男性)/建築関連会社勤務。現在習っているのは、クラシックギターとイラスト。

芸は身を助ける?

――習い事が仕事に役立ったことはありますか?

Tさん:ペン習字は、本当に役に立っています。基本的にはパソコンで書類を作成しますが、ときどき郵便物の宛名書きや、お客さまへの手紙を手書きしています。本当に気持ちを伝えたい場面では、手書きの文章はとても有効ではないでしょうか。同僚や上司から、手書きしてほしいと頼まれることも。きれいな字を書ける人は意外と少ないので、仕事に生かせる特技みたいなものを身に付けたいなら、ペン習字は本当におすすめです。

Nさん:私の場合、直接仕事に生かせたということではありませんが、クラシックギターを通じて、職場の上司ととても仲良くなりました。雑談中にギターを習っていることを話したら、その上司もギターをやっていることがわかって。それからよく音楽の話をするようになりましたね。実は、その上司とはあまりうまくいっていなかったのですが……、共通の話題ができて、会話がしやすくなりました。仕事もやりやすくなりましたね。

パソコン教室や語学教室なら、仕事に直結しそうなイメージがありますが、意外な習い事が仕事に役立つケースもあるようですね。

趣味の延長で小遣い稼ぎができることも

――それでは、習い事がお金もうけにつながったという経験は?

Kさん:私は2年ほど前からピアノ教室に通い始めました。子供のころ少しだけ習っていて、自宅にピアノがあったので、『せっかくだし……』と思って。習い始めてから1年ほどたって、会社の忘年会で披露したことがあります。それほどうまくなっていなかったので、簡単な曲しか弾けなかったですが、みんなとても驚いてくれて、その年の忘年会MVPを獲得しました。それで、金一封をいただきましたよ。

Nさん:私はときどき、フリーマーケットで自分のイラスト作品を販売しています。もちろん、そんなに高い値段は付けませんし、どんどん売れるわけではないのですが……。それでも、お客さんがイラストを購入してくれたときは、本当にうれしいですね。仕事でお給料をもらうのとは、また違った感動があります。

趣味で始めたことが、お金に結びつくとうれしいですよね。そういった喜びが、また習い事を頑張る原動力になりそうです。

習い事でモテ度UP!

――プライベートで、「習い事を始めて良かった!」と感じたことは?

Mさん:私はマジックを習っているのですが、手の動きがきれいだと女性からほめられることが増えました。マジックでは手先の器用さや、手の美しい動きが求められるのです。マジックを始めて、確かに日常生活でも手の先まで神経を使うようになった気がしますね。合コンでは、『手がきれいですね』、『実はマジックを習っていまして……』、『スゴーイ! 見せて!』という流れになることも多く、結構ちやほやされています。マジックは、モテる習い事の一つではないでしょうか?

Tさん:結婚祝いや、誕生日プレゼントにプリザーブドフラワーや手作りの陶芸作品を贈ることは多いですね。彼氏のお母さんがお花好きで、お誕生日にお花のアレンジメントをプレゼントしたら、とても喜んでくださいました。プレゼントを選ぶのは難しいし、ちょっと面倒だと感じることもありますよね。でも、手作りなら作る方も楽しめるし、相手の好みに合わせて作れば良いので、プレゼント選びで迷うこともなくなりました。

「ただの趣味」と思って始めた習い事が、何かの役に立つとうれしいもの。もしも今、「何か新しいことを始めようかな……」と迷っているのなら、是非思い切ってトライしてみてください。意外な場面で、その習い事が役に立つかもしれませんよ。

(OFFICE-SANGA 森川ほしの)