デルおよびデル・ソフトウェアは5月16日、ソフトウェア製品に関する新たなパートナー制度「PartnerDirectプログラム」を発表した。エントリーレベルである「Dell Registeredパートナー」、その上の「Dell Preferredパートナー」、最上位の「Dell Premierパートナー」の3種類の認定レベルがあり、特別割引やサポートサービス、受注案件の割り当てなど、レベルごとに特典が提供される。

新たなパートナー制度

デルは現在、「エンタープライズ」、「サービス」、「エンドユーザーコンピューティング」、「ソフトウェア」の4つのビジネスユニットを中核に事業展開を推進しているが、ソフトウェア事業においては、これまでKACE社、SonicWALL社を買収し、製品ラインナップを拡大してきた。さらに、2012年9月の米DellによるQuest Software社の買収完了にともない、2013年2月1日には、日本クエスト・ソフトウェアからデル・ソフトウェアへと社名変更を行い、ソフトウェア製品の販売体制を強化している。今回の新たなパートナー制度は、これら体制の変化に対応するもの。

買収したソフトウェア企業

なお、デル・ソフトウェアの前身である日本クエスト・ソフトウェアのソフトウェア製品のパートナーは、本年秋より、既存のパートナープログラムから「PartnerDirectプログラム」へ移行する予定だ。

そして今後は、デル・ソフトウェアが取り扱うソフトウェア製品のポートフォリオを拡充し、デル・ソフトウェアの保有するクエスト・ソフトウェアの製品群に加え、デルが買収してきたKACE、SonicWALLを含むソフトウェア製品群が統合、セキュリティ、情報管理、システム管理の3つのカテゴリに集約する。

デル・ソフトウェアが注力する4つのトレンドと対応製品

セキュリティでは、ID管理製品、セキュアリモートアクセス製品、eメールセキュリティ製品など、情報管理ではデータベース関連製品など、システム管理では運用管理製品、パフォーマンス管理製品、サーバ管理製品、データ保護製品などを扱う。

デル 代表取締役社長 郡信一郎氏

デル 代表取締役社長 郡信一郎氏は、「デルは、日本で事業を開始してから20年目になるが、今年はソフトウェアという新たな軸をポートフォリオに加え、End to Endのソリューションの提供を加速し、反撃の年にしたい。そのため、会社としても組織を変更し、お客様の1つの窓口になるという強みを残しながら、4つの事業に分けて管理していく。それは、ポートフォリオを拡張していくなかでは、製品の持つ特徴の知識が必要であり、事業戦略をつくる上で、横軸だけでなくソリューションの特徴にそった戦略を実行していくためだ」と語った。

デルの新組織

デル・ソフトウェア 代表取締役社長 バスター・ブラウン氏

また、デル・ソフトウェア 代表取締役社長 バスター・ブラウン氏は「現在はIT分野では4つの大きなトレンドがある。それは、クラウド、セキュリティリスク、ビッグデータ、モビリティだ。現在のIT環境においては、この4つがもっとも重要だ。デルの役割は、これらすべての分野で管理とセキュリティを提供することだ。デルは日本で、直販部隊、eコマース、チャネルパートナーというマルチチャネルのアプローチをもっており、この中でもっとも重要なのがパートナーだ。これまでも、今後も100%パートナー経由で販売する。新たなパートナープログラムにより、さらにパートナーに成功してもらう。いかにパートナーのエコシステムを強化していくかが、成功のポイントだ」と述べた。

また、同氏は事業を拡大する上で、デルのハードウェアだけでなく、他社のハードウェアとのバンドルもあり得るとした。