最優秀作は「母さん助けて詐欺」、優秀賞は「親心利用詐欺」「ニセ電話詐欺」

警視庁は「振り込め詐欺」の新名称を公募し、応募作品9,085点の中から、5月12日に最優秀作・優秀作を発表した。最優秀作は「母さん助けて詐欺」、優秀賞は「親心利用詐欺」「ニセ電話詐欺」となった。

電話で「オレオレ」以外に、手口が多様化

電話を利用して親族等になりすまし、金銭の借用を目的に現金を預貯金口座に振り込ませる「オレオレ詐欺(恐喝)」。この被害が2003年に急激に拡大したが、手口は多様化して名称と実情が合わなくなったため、警察庁は、架空請求詐欺などとあわせる形で「振り込め詐欺」という統一名称を採用していた。

しかし、近年は犯人が被害者のもとへ金銭を直接受け取りに行く手口が急増。「振り込め」では名称が実態に合わないとして、警視庁が3月に公募に乗り出していた。最優秀賞「母さん助けて詐欺」、優秀作の「ニセ電話詐欺」「親心利用詐欺」とともに啓発ポスターなどで使い周知していくが、「振り込め」も続けて併用していくという。

警視庁によると、振り込め詐欺の犯人は電話帳や学校の卒業生名簿などを使い、不特定の人を狙っているという。特に「オレオレ詐欺(恐喝)」と、税金還付などに必要な手続きを装い、被害者にATMを操作させて金銭をだまし取る「還付金等詐欺」の被害件数が多く、警視庁ではこれらの被害を防ぐとともに犯人の検挙に向けた取組を強化している。