シャープは5月14日、2013年3月期の連結業績(2012年4月1日~2013年3月31日)を発表した。5,453億4,700万円の当期純損失を計上し、2期続けての大幅な最終赤字となった。

全体での売上高は2兆4,785億8,600万円で、2012年3月期(2011年4月1日~2012年3月31日)の2兆4,558億5,000万円から0.9%増となるも、セグメント別の業績では液晶事業が2012年3月期の422億円(損失)を上回る営業損失1,389億円を計上。全体の営業損益を1,462億6,600万円(損失)と大きく引き下げた(2012年3月期は375億5,200万円の営業損失)。

営業損益が大きな赤字となったことから、経常損益も2,064億8,800万円の損失を計上(2012年3月期は654億3,700万円の損失)。加えて特別損益項目では、AV・液晶事業における固定資産の除却損・減損損失(473億円)、太陽電池事業のリース解約損(173億円)、TFT液晶事業に関して海外で提起されている民事訴訟についての訴訟損失引当金繰入額(323億円)など多額の特別損失を計上した。これらにより、最終損益は2012年3月期の3,760億円7,600万円(損失)を上回る当期純損失5,453億4,700万円となっている。

連結業績(日本基準に基づく。△は損失)
2012年3月期 2013年3月期 前年度比
売上高 2兆4,558億5,000万円 2兆4,785億8,600万円 +0.9%
営業利益 △375億5,200万円 △1,462億6,600万円
経常利益 △654億3,700万円 △2,064億8,800万円
当期純利益 △3,760億7,600万円 △5,453億4,700万円

部門(セグメント)別の売上高

部門別の営業利益

2期続けての大幅な最終赤字を計上したことで、2012年3月末時点で2,599億3,700万円あった利益剰余金は△2,909億1,200万円と大幅に減少。株主資本合計も7,192億6,500万円から1,837億3,200万円へと大きく目減りしている。

なお、シャープでは、人件費をはじめとする固定費の削減、および第2四半期において計上された棚卸資産評価損、固定資産の除却損・減損損失などの構造改革費用により、収益構造が改善したことを強調。下期においてはこれらの収益改善策が奏功し、半期ベースで約2,700億円の営業利益となっているという。

事業構造改革が進んだことで収益性が改善したという

主な特別損失項目