アニメ制作における「下請取引適正化」のためのガイドライン策定--経産省

御木本千春  [2013/05/01]

経済産業省はこのほど、アニメーション制作業における「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」を策定し、同省Webサイトにて公開した。

同ガイドラインによると、日本のアニメは国内外から高い評価を受けているものの、制作工程は多層構造となっており、「下請代金法の遵守はもとより下請取引全般における適正化が求められる」(同省)状況だという。

発注の際の取引条件の協議、発注書面の交付といった改善点も多いと指摘。同省はガイドライン策定に先立ち、アニメーション制作事業者333社およびアニメーター個人742人(フリーランス)に対して、アンケート調査を実施(調査期間2011年12月~2012年1月)。

その結果、「発注時に発注内容や代金の額が確定していない取引がある」、「発注時に発注書の交付がされていない」、「発注内容の変更に伴って必要コストが増加しても、コスト増分の代金増額は認めてもらえない」、「受注者の責任によらないスケジュールの変更によって、受注者にさまざまな負担が生じている」などの問題が確認された。

同省はこのような状況を踏まえ、アニメーション制作業における取引の透明化を図るとともに、親事業者および下請事業者双方にとり、利益のある関係の構築を促すため、関係事業者の協力を得て、今回のガイドラインを策定したとしている。

ガイドラインでは、下請代金法および独占禁止法に抵触する恐れにある取引事例として、「親業者が製作過程で当初の発注内容を変更する際に、下請事業者に対して口頭のみで伝えた」ケースを挙げ、この場合、親事業者は、発注に際して具体的必要事項を全て記載した発注書面を下請事業者に対して交付しなければならないと指摘。また、発注内容を変更する際も同様だとしている(不当なやり直しの禁止)。

さらに、アニメーション作品の完成後、作品を見たスポンサーなどから修正指示が出た際、親事業者が成果物を一旦受領したにもかかわらず、責任がない下請事業者に対して無償でやり直しを強制して下請事業者の利益を害するのは、「不当なやり直し」に該当すると警告している。

望ましい取引事例としては、制作工程の発注管理システムの導入などによる下請取引の管理、制作が長期化した際の親事業者による中間払いの実施などを挙げている。

なお、親事業者が下請代金法に違反した場合は、公正取引委員会または中小企業庁から、違反行為の取りやめと原状回復(減額分や遅延利息の支払いなど)が求められるとともに、再発防止措置の改善指導を受けることになる。下請代金法に関する問い合わせは、所在地を管轄する経済産業局、中小企業庁などの担当窓口にて受け付けている。

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