村田製作所は、横浜スマートコミュニティがtvkハウジングプラザ横浜内に建設しているスマートセル内に、次世代型スマートハウス向けエネルギーシステムの実験機とワイヤレス見守りシステムを設置し、4月26日より実証実験を開始したと発表した。

「次世代型スマートハウス向けエネルギーシステム」実験機

次世代型スマートハウス向けエネルギーシステムは、双方向DC-DCコンバータや双方向DC-ACインバータなどを組み合わせ、太陽電池、蓄電池、系統電力などとシステムとして統合することで、双方向でのエネルギーの制御、融通、モニタリングを可能にする。そのため、それぞれの電力をどのように家電製品に振り分けるかなどの指令を直接受け取ることができ、エネルギー制御が可能となる。これにより、スマートハウスに求められる"エネルギーを「創る」「蓄える」「賢く使う」"システムを制御し、見える化をしながら、効率的にエネルギーを活用することができるという。

「次世代型スマートハウス向けエネルギーシステム」

また、今のところHEMS/BEMSはエネルギー消費量の見える化がメインだが、今後センサネットワークと融合して人がいる/いない、ドアや窓の開閉などの状態を検知して、必要なところではエネルギーを使用し、不要なところではエネルギー消費量を自動で抑えていくことで、快適かつ省エネを目指していこうとしている。そこで同社では、光発電デバイスの開発を進めている。

ワイヤレス見守りシステムでは、開発中の光発電デバイスを使い、室内光エネルギーを電気エネルギーに変換。これを、見守りシステムのセンサノードの電源として用いていることで、電池不要のセンサノードを作ることが可能。データの送信には無線を使う。

「ワイヤレス見守りシステム」

村田製作所は、次世代型スマートハウス向けエネルギーシステムの実証実験を通じ、エネルギーシステムの信頼性評価や顧客ニーズの把握を進め、エネルギーシステムや機器内のモジュール・電子部品に求められる性能、信頼性を調査し、未来のエネルギー市場に必要な技術開発や新商品展開を検討していく。

また、ワイヤレス見守りシステムの実証実験を通じて、実環境に近い室内空間において光発電デバイスで得られたエネルギーを用いて安定的にセンシング/データ送受信が行えるか評価するとともに、顧客のニーズを把握し、センサネットワークシステムで用いる電子部品に求められる性能、信頼性を調査、将来のエネルギーハーベスティング市場に必要な技術開発や新商品展開を検討していく。