アットマークテクノとユビキタスは4月23日、ユビキタスが提供する高速起動ソリューション「Ubiquitous QuickBoot(QB)」をアットマークテクノの組み込みプラットフォーム「Armadilloシリーズ」に適用し、インストールするだけで使用可能な「Ubiquitous QuickBoot RTP(ランタイムパッケージ)」を開発、中小規模の組み込みシステム向け高速起動ソリューションとして販売していくことで合意したと発表した。

従来ユビキタスは、QBをSDK(ソフトウェア開発キット)として大中規模向けの組み込みシステム向けに展開してきたが、今回、QBの幅広い分野への展開に向け、数十~数千台程度の中小規模向け組み込みシステムに特化したQuickBoot RTPを開発。中小規模の組み込みシステムでは、Armadilloシリーズに代表される組み込みプラットフォームをベースにアプリケーションを開発し、それを量産して製品化する事例が増えていることから、アットマークテクノとの提携を決定したという。

QuickBoot RTPは機能を絞り込むことで、低コストで、移植作業をすることなく、インストールだけで、簡単に高速起動を実現することができるパッケージソフトとなっており、対応機種第一弾として、さまざまな分野の組込機器に採用実績のある「Armadillo-440」に向けたものを2013年5月下旬より、アットマークテクノの販売代理店を通じて提供を開始する予定だという。

このArmadillo-440向けQuickBoot RTPは、アットマークテクノから提供されるLinux BSPをそのまま利用して、アプリケーションを開発、量産されるユーザー向けの高速起動ランタイムパッケージで、Armadillo-440に搭載されているNOR型フラッシュメモリにシステムをインストールし、任意のタイミングでスナップショットイメージを取ることで、アプリケーションを高速起動(電源投入からシェルまで起動で1~2秒)させることが可能だという。

またデバイスについては、シリアル、フレームバッファ、タッチパネル、SD、USBホスト、イーサネットに対応しており、QBのスナップショットイメージは、microSDカードに格納される形となる。

なおマニュアルとして、QuickBoot Overview、QuickBoot RTP Manualが同梱されるが、サポートサービスおよび量産ライセンスの購入については、別途必要となる。

Armadillo-440