わたらせ渓谷鐵道はこのほど、「わ89-101号」(3月31日で引退)を大間々駅構内に静態保存すると発表した。同駅構内に60mの軌道を敷設し、上屋を設置して保存する。これを記念して、4月27日に同駅でオープニングイベントも開催する。

「わ89-101号」の静態保存を受け、大間々駅構内に「記念車両保存活用施設」も設けられた

オープニングイベントでは、101号運転席体験や、同社のキャラクター「わっしー」と101号との記念撮影、軌道自転車体験などが行われる。「わ89-101号」保存活用施設のお披露目式なども行われるという。

「わ89-101号」は、わたらせ渓谷鐵道の開業時から走り続けた5両の同形車両のうち、最後まで活躍した1両。富士重工の「LE-Car IIシリーズ」と呼ばれる軽量ディーゼルカー(レールバス)で、かつて多くの第3セクター鉄道に導入されたが、車体の老朽化とともに順次廃車に。同車に在籍した車両も、5両中4両が2010年までに廃車となった。ゆえに希少価値が高いとして、「わ89-101号」を産業遺産として静態保存することになった。

同車両は引退を記念し、銅(あかがね)色とされていた車体外装を、登場時のベージュと紫紺色のツートンカラーに復元。3月31日、桐生~間藤間の臨時快速「さよなら101号」として運行されたのを最後に引退した。