日本銀行は15日、4月の地域経済報告(さくらレポート)を発表した。それによると、全国9地域全ての景気判断が前回の1月から上方修正されたことがわかった。これは、家計・企業マインドの改善もあり国内需要が堅調に推移したほか、海外経済も持ち直しに向かっていることなどが背景にあるという。

地域別に見ると、北海道、東北、北陸、東海、中国の5地域が「緩やかに持ち直している」「回復しつつある」と判断。関東甲信越、近畿、四国、九州・沖縄の4地域は依然「横ばい圏内」などとしながらも、一部には持ち直しに向けた動きが見られた。

4月の地域経済報告(さくらレポート)「地域からみた景気情勢」(出典:日本銀行Webサイト)

項目別では、公共投資については、東北が「大幅に増加している」、北陸、関東甲信越、近畿、中国、四国、九州・沖縄が「増加している」「持ち直している」など、北海道、東海が「底堅く推移している」「概ね横ばいで推移している」と判断。

設備投資は、北海道、東北、北陸、関東甲信越、東海が「増加している」「持ち直している」など、近畿、中国、四国、九州・沖縄が「底堅い動きとなっている」「横ばい圏内で推移している」などとなったものの、複数の地域において「製造業で弱めの動きがみられる」といった判断も見られた。また、企業の景況感については、非製造業を中心に「改善している」などの報告があった。

個人消費は、東海、九州・沖縄が「持ち直しの動きがみられている」など、東北、関東甲信越、近畿、中国、四国が「底堅く推移している」「横ばい圏内で推移している」など、北陸が「下げ止まりつつある」、北海道が「ガソリン・灯油価格の高止まりや悪天候の影響もあって、弱含みとなっている」と判断。詳細を見ると、百貨店は多くの地域で上方修正された一方、スーパーはほとんどの地域で「弱含めの動きが続いている」などと大幅な改善に至らなかった。

住宅投資は、東北が「増加している」、近畿が「緩やかに増加している」。また、北海道、北陸、関東甲信越、東海、中国、四国、九州・沖縄は「持ち直している」「持ち直しつつある」などと判断された。

生産は、北陸が「全体として増加している」、北海道、東海、中国が「持ち直している」など、東北、関東甲信越、近畿が「下げ止まっている」などと判断。一方、四国は「幾分弱めの動きが続いている」、九州・沖縄は「全体として減少した状態が続いている」となった。

雇用情勢については、多くの地域において上方修正された。雇用者所得は、東北が「前年を上回って推移している」と判断されたほか、北海道、北陸、東海、近畿、四国、九州・沖縄が「前年並みで推移している」など、関東甲信越、中国が「弱めの動きが続いている」などとなった。