風疹発生動向調査 感染者は、昨年の同時期の21倍に

ヤフーは3月26日より、全社員約4,000人を対象に、東京都を中心に大流行している「風疹(ふうしん)」の予防接種にかかる費用を上限7,000円まで補助する取り組みを開始した。

予防接種費用を上限7,000円まで補助

風疹は、発熱・発疹・リンパ節の腫(は)れなどを主症状とするウイルス性の疾患。妊娠中の女性が感染すると、生まれてくる子供が先天性風疹症候群と呼ばれる病気になることがあり、妊娠を希望する女性にとっては予防が必要な感染症のひとつでもある。

この風疹の感染者が東京都を中心に急増している。国立感染症研究所の発表によると、2013年に入ってから3月13日までの全国の患者数は1,656人となり、これは2012年の同時期の21倍という状況になっている。

この大流行の背景には、日本の予防接種法が1994年に改正されたことが挙げられる。予防接種対象が女子中学生のみから、男女とも1歳~7歳半までに定期接種する方法に変更されたため、制度の谷間に当たる1979年~1987年生まれ(現在、26歳~34歳)の世代が風疹の予防接種を受けていない割合が高い可能性があるという。

同社は、社員の平均年齢が34歳と制度の谷間世代が比較的多く、全社員の9割以上が風疹の流行が目立つ東京都内の本社に勤務していることから、予防接種にかかる費用を上限7,000円まで補助する。予防接種は医療機関ごとに費用が異なるが、上限7,000円までの補助であれば多くの場合で社員本人の費用負担なしで接種できるとし、積極的な予防接種につなげることが可能だと考えている。