PwC Japanは3月29日、PwCが2013年1月22日に世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に合わせて発表した「第16回世界CEO 意識調査」における日本企業のCEO(162人)の回答結果を、「第16 回世界CEO 意識調査日本分析版:レジリエントな対応力の強化」として、同日に発表した。

同調査は、2012年9月~12月初旬に、世界68 カ国の主要企業の最高経営責任者(CEO)1,330人を対象に実施したもの。

調査結果のCEOの「成長への自信」をみると、今後1年間の自社の業績見通しについて「自信がある」と回答した日本のCEOは73%で、前回の2011年の調査結果(78%)から5%低下、2年前の2010年と同水準となった。

世界全体の結果と比べた日本のCEOの回答の特徴として、今後業績を伸ばしていく上では国内外の既存市場での本業の(内部)成長を重視する割合が高いこと(60%)、成長を見込む海外市場としては中国(48%)やタイ(26%)、インドネシア(23%)などのアジア諸国を重視する割合が高いこと、また一方で、脅威として為替レートの変動を懸念している回答の割合が高いこと(74%)が挙げられている。

今後の組織運営の面では、サプライチェーンについては集中化よりも多様化を重視するCEOが多く(66%)、リスク管理の資源配分ではリスクイベントの予測よりも、発生後の回復を重視する割合が高い(57%)のも日本の回答の特徴となった。

さらに、人材戦略を重視する傾向は世界全体と同レベルに高いものの(80%)、後継者育成計画を実施すると回答した日本のCEOは34%と、世界全体の71%に比べて低い水準にとどまった。

また、事業戦略に影響を及ぼすステークホルダーとしては、顧客重視を挙げる日本のCEO の割合が世界全体と同様に高い水準(97%)を示す一方で、世界全体と比べて、従業員(90%)、サプライチェーンを構成するパートナー(84%)、地域コミュニティ(70%)を重視する傾向が強いこと、また関係強化の対象としては、ソーシャルメディアと非政府組織(NGO)の比率がそれぞれ37%、21%と低いことが明らかになった。