東北電力は28日、福島県浪江町と南相馬市に計画していた浪江・小高原子力発電所の新設を取りやめると発表した。

同社は1968年の計画発表以来、福島県および浪江町、南相馬市(旧小高町)などの関係者の支援を受けて、40年超にわたって両原発の立地を進めてきた。しかし、東日本大震災と、それに起因する東京電力福島第一原子力発電所事故の発生以降、浪江町議会において「誘致決議を白紙撤回する議案」、南相馬市議会において「誘致決議を破棄し、建設の中止を求める議案」が決議されるなど、地元では建設反対の声が強まっていた。

また、浪江・小高地点には一部未取得用地があり、今後、原子力発電所を建設するためには、用地取得を完了させ、その後、漁業補償、環境影響評価などを行う必要があるという。このため、運転開始までにはかなりの長期間を要する見込みとなることから、「このまま立地を推進していくことは適切ではない」(同社)と判断。これらの諸情勢を総合的に勘案した結果、両原発建設計画の撤回を決定したとしている。